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鳥なき里の蝙蝠
去年の夏以降、関東地方で、生まれてまもない赤ちゃん3人が急性肝不全などを発症して亡くなり、「エコーウイルス11型」と呼ばれるウイルスが検出されたことが分かりました。かぜの原因となるウイルスの一種ですが、国内の感染状況は詳しくは分かっておらず、国は全国的な調査を実施するとしています。
国立感染症研究所などによりますと、去年8月以降、関東地方で、生まれて1か月以内の赤ちゃんが急性肝不全などを発症して入院し、亡くなるケースが3人報告されたということです。
医療機関などで調べたところ、3人から「エコーウイルス11型」と呼ばれるウイルスが検出されました。
かぜの原因となるウイルスの一種で、新生児が感染するとまれに髄膜炎や心筋炎など重い症状を起こし、最悪の場合亡くなることもあります。
国内の感染状況は法律で国への報告対象になっていないため詳しくは分かっていませんが、国立感染症研究所によりますと、髄膜炎の検査で見つかったケースなど去年は軽症を含めて90例以上報告されています。
このウイルスをめぐっては、ヨーロッパを中心に感染した新生児が急性肝不全などを発症して亡くなるケースが3年前から相次いで報告されていました。
関東地方で急性肝不全などを発症して亡くなる患者が相次いだ去年8月以降、松原部長らのグループはこのウイルスに感染した生後7日から50日までの4人の赤ちゃんを診療したということです。
松原部長は「いわゆる夏かぜの原因として以前から知られているウイルスで、感染しても通常は発熱が2、3日続いて治ることが多い。国内の詳しい感染状況が分からないので、このウイルスに注意を払わなければならない状況かどうか現時点ではっきりしたことを言うのは難しい。国内外の報告を見ると生まれて1か月を過ぎた場合重症化するケースは多くはないので過度に警戒する必要はないと思う。一方、重症化のリスクが高いとされる生まれてまもない赤ちゃんや早産の赤ちゃんについてはできるだけ感染を避けるよう対策することが大切だ。患者との接触や便などを通じて感染するが、アルコール消毒だけではだめなので、せっけんを使った手洗いを徹底するよう心がけてほしい」と話していました。
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