• No.3 自然観察指導員

    24/09/22 16:48:20

    都内の小学校の教員は話す。

    「以前は、学校内の骨折事故といえば、休み時間にするプロレスごっことか、友達に足を引っかけられたとか例外的なことがメインでした。でも、今は違います。教室を出ようとして友達とぶつかって骨が折れたとか、荷物を持って歩いていたらふらついて転んで骨折したとか、そういうにわかには信じがたい事故が増えているのです。言葉は悪いですが、学校全体が高齢者施設のようになってしまっていて、子どもがちょっと走っているだけでも、こっちは何か起こるんじゃないかとハラハラしてしまいます」

    ■運動の〝二極化〟

    骨折については統計が出ているが、捻挫、打撲、脱臼といったケガの実態は明らかになっていない。本書に登場する先生方によれば、骨折は氷山の一角であり、骨折より小さなケガのほうが格段に増えているだろうとのことだ。

    なぜ、こうしたことが起きているのか。本書の取材で小学校の先生方が語っていたのは、運動の機会の「分断」である。

    今の子どもたちは、親が共働きであるために学校が終わっても、そのまま児童館で日が沈むまで過ごすか、家に帰ってオンラインゲームをするというのが一般的だ。放課後に友達で集まって、何時間も外遊びをするという時代ではない。

    そのため、親が意識して運動の機会を提供しなければ、子どもの運動能力は育たなくなっているのである。都内の小学校の教員は言う。

    「クラスの子を見ていると、運動能力の高い子は、習い事でスポーツをやっていますね。そこで専門知識を持つコーチに指導してもらって心身ともに成長しています。しかし、習い事でスポーツをやっていない子は、私生活において運動する機会がまったくといっていいほどない。それによって、運動のできる子は昔よりずっとできるけど、そうでない子はまったくできないという〝二極化〟が起きているのです。中間層が減ったといえるでしょう」

    つづく

コメント

古トピの為、これ以上コメントできません

広告

返信コメント

  • まだコメントがありません

投稿するまえにもう一度確認

ママスタコミュニティはみんなで利用する共有の掲示板型コミュニティです。みんなが気持ちよく利用できる場にするためにご利用前には利用ルール・禁止事項をご確認いただき、投稿時には以下内容をもう一度ご確認ください。

上記すべてをご確認いただいた上で投稿してください。