急上昇
イラク・ディナール
豚の頭をイスラム教徒に見せつけ 韓国で過激化するモスク建設反対運動 「明らかなヘイトクライムだ」
2023年2月1日 16時00分
モスク建設に反対し、豚の頭や足を置いた意図を語る住民団体の徐在元さん=韓国・大邱市で
韓国南東部・大邱テグ市で、留学生らが進めるイスラム寺院(モスク)建設に近隣住民が猛反発し、過激な行動に出ている。例えば、イスラム教徒(ムスリム)に対し、彼らが「不浄な動物」と考える豚の頭を見せつけるように置き、豚肉を焼く—。韓国は少子化高齢化が進行し、移民労働者らの受け入れを積極化しているが、異文化に不寛容な地域社会も残る。(大邱市で、相坂穣、写真も)
◆「嫌悪してるわけではない」が「国に帰れ」
大邱市街地にある国立の慶北キョンブク大に近い民家や店舗が立ち並ぶ一角に、モスクの建設現場がある。
ムスリムの留学生らが建設資金を集め、2020年9月に建築許可を得て着工した。だが、住民らがムスリムの1日5回の礼拝による騒音や香辛料を使う料理の臭いで住環境が悪化すると主張、反対したことを受け、大邱市北区は21年2月、工事中止の行政命令を出し、工事は中断した。
韓国国家人権委員会は同年10月、北区の行政命令を「イスラム教への偏見に基づく一方的な苦情を受けた判断」として批判。建設主の留学生や支援団体が、行政命令の撤回を求める訴訟を起こし、22年9月に最高裁で勝訴が確定した。
だが、住民らの反対運動は逆にエスカレート。同10月27日には、モスクの建設現場につながる細い路地に、豚の頭部や豚足を置き、同12月15日には「住民のための大宴会」と称して、豚肉を焼くパーティーを開いた。
「イスラム教を嫌悪しているわけではない。住宅地の真ん中に宗教施設が建つことが困るだけだ」。反対派住民の徐在元ソジェウォンさん(57)は取材に対し、初めは慎重に語った。だが、次第に語気を強めて言い放った。「韓国には豚を供える伝統祭祀さいしがあり、豚肉は主食。韓国文化を受け入れられない外国人は国に帰ればいい」
◆韓国人はイスラムを知らない 私たちも韓国を知らない
ムスリム側のリーダーで、慶北大大学院博士課程で学ぶパキスタン人のムアズ・ラザックさん(26)は「反対派の行為は明らかなヘイトクライム(憎悪犯罪)だ。ムスリムを『テロリスト』と断じるビラなども配られ、私たちも同じように見られているのかと失望した」と語る。
その一方で、住民との対話を求める。「彼らが騒音や臭いがだめと言うなら、対策を話し合いたい。韓国人はイスラムを知らない。私たちも韓国を知らない。それが問題だ」
◆少子化で外国人材獲得が課題 一方で単一民族意識強く
韓国はIT産業の発展などで世界10位前後の経済大国となった一方、世界で最も急激な少子化に直面している。
合計特殊出生率は0.81で、日本の1.30よりも低い。韓国統計庁の推計では、総人口に占める生産年齢人口の割合は(15〜64歳)は、20年の71.5%から40年には55.7%まで急低下する。
韓国政府は、働き手不足を補うため、昨年11月に「移民庁」の発足に向けた準備組織を設置した。19年末時点で韓国に滞在する外国人は約252万人に達し、総人口の5%に迫ったが、高度な知識や技術を持つ外国人材の獲得も課題となっている。まさに、大邱でモスク建設を求めている留学生らにも、最新のIT技術などの研究のために来韓した人材が多い。
「韓国は単一民族意識が強く、イスラムという見知らぬ文化に鋭い敵対心が向けられてきた」。少数者への差別撤廃を訴える市民団体「差別禁止法制定連帯」の張藝浄チャンイェジョン代表(28)は、地域住民の心理を分析した上で訴えた。「以前は女性や同性愛者らへの差別も根強かったが、長年、公的教育や当事者間の対話機会を設ける努力が続けられ、社会が変わってきた。宗教問題も同じく、対話を続けることで理解を深めていきたい」
東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/228455
古トピの為、これ以上コメントできません
件~件 ( 全0件)
*コメント欄のパトロールでYahoo!ニュースのAIを使用しています
ママスタコミュニティはみんなで利用する共有の掲示板型コミュニティです。みんなが気持ちよく利用できる場にするためにご利用前には利用ルール・禁止事項をご確認いただき、投稿時には以下内容をもう一度ご確認ください。
上記すべてをご確認いただいた上で投稿してください。
まだコメントがありません