片道2時間かけ接種も…乳幼児コロナワクチン、予約枠少なく

匿名

ギル

22/12/29 15:57:40

片道2時間かけ接種も…乳幼児コロナワクチン、予約枠少なく
12/29(木) 12:00毎日新聞


 新型コロナウイルスの乳幼児向けワクチン接種が始まって2カ月がたつが、1回目ですら接種率は2・2%(12月26日時点)と低迷している。一方で、接種を希望する保護者からは「なかなか予約が取れない」という悲鳴が上がっている。なぜこうした状況に陥っているのだろうか。

 乳幼児接種は生後6カ月〜4歳が対象で、10月24日に無料接種が始まった。日本小児科学会も重症化を予防できるとして接種を推奨している。ただ、十分な免疫を獲得するには間隔を空けて3回の接種が必要になり、保護者の負担は大きい。

 「途方に暮れました」。1歳の長女がいる東京都の30代女性は、12月中旬に初回接種を予約しようとした。だが居住自治体の医療機関のうち接種できるのは数カ所程度。既に枠がほぼ全て埋まり、都の大規模接種会場も1月中旬まで空きがなかった。

 ワクチンの全額公費負担が決まっている来年3月までに3回の接種を終えたいと思っていたため、やむを得ず自宅から片道2時間かかる病院をインターネットで探し、12月下旬にようやく1回目の接種を受けた。

 山梨県の30代女性は、12月下旬の2回目接種前に1歳2カ月の長男が体調を崩し発熱した。予約していた市立病院は月2日、平日の1時間程度しか枠がなく、振り替えようとすると別の医療機関を探すよう言われた。かかりつけ医の接種体制が整い1月中旬になんとか予約が取れたが「子どもは熱が出やすく、平日に3回打つのは仕事とのやりくりが大変」と話す。

 なぜ医療機関の予約枠は限られているのか。乳幼児向け接種を提供する、かずえキッズクリニック(東京都渋谷区)の川上一恵院長は「子どもの接種は大人よりも医療者の人員やスペースを手厚く確保する必要がある。発熱した子どもの診察と予防接種の両方を手がけるクリニックの負担はとても大きい」と説明する。このため接種を手がけられるクリニックは多くない。

 大規模接種会場も事情は似ている。東京都は11月に乳幼児向けの会場を1カ所設置したが、当初の枠は月10人だった。すぐに予約が埋まったため、会場を2カ所、枠を週1〜2回、1日当たり最大計30人に拡大した。それでも、コールセンターで予約を断る状態が続き、「地元でも予約できなかったのに」と不満の声が寄せられた。現在は会場の数や頻度は同じで1日当たり最大計44人に枠を拡大している。だが、乳幼児接種の対応に慣れた医師や複数の看護師も必要なため、これ以上枠を大幅に増やすのは難しいという。

 新潟市では開業医が多忙なため、新潟大医学部などの協力で、乳幼児用の集団接種会場の設置を決めた。1月の2日間、計370人を対象に集団接種を実施する。市担当者は「第8波やその他の予防接種で小児科が逼迫(ひっぱく)し、『接種希望者をさばききれない』という声がある」と明かす。

 予約開始後、保護者が付き添いやすい日曜日は、当初の枠がすぐに埋まった。市担当者は「新潟大の協力がなければ実施は難しかった」という。接種スケジュールが厳しい中で、自治体は、開業医だけに頼らない体制を整えるなどの対応を迫られている。

 一方で、接種体制や希望者の数によって予約に余裕のある地域もある。かずえキッズクリニックでは1日10人の枠があるが埋まらない日もある。全国的にも接種率が低迷している背景の一つについて、川上院長は「ワクチンの必要性がまだ十分に伝わっていない」と語る。

 乳幼児で重症化することはまれだが、国立感染症研究所の報告では、今年1~4歳の感染者の少なくとも14人が亡くなった。川上院長は「けいれんや脱水など、入院が必要な子どももいる。接種を積極的に検討してほしい」と話している。【寺町六花】


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