神奈川 平塚 遺体遺棄事件 “息子から暴力”と警察に相談

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20221215/1000087635.html

１３日、神奈川県平塚市の住宅に高齢の両親とみられる遺体を遺棄したとして５０歳の容疑者が１４日、逮捕された事件で、警察に対して容疑者の両親から「息子に暴力を振るわれた」といった相談がこれまでに６回寄せられていたことが分かりました。

平塚市撫子原にある２階建ての住宅に高齢の両親とみられる遺体を遺棄したとして警察はこの家に住み、事件のあと行方がわからなくなっていた新谷嘉朗容疑者（５０）を１４日、静岡県内で見つけ逮捕しました。
調べに対し、「遺棄はしていない」と容疑を否認しているということです。
近所の人などによりますとこの家には容疑者と高齢の両親の３人が暮らしていて、警察は遺体は両親の可能性があるとみて身元の確認を進めています。
また、その後の警察への取材で去年１０月からことし９月にかけて、両親から警察に対し、「息子に暴力を振るわれた」とか「息子が暴れている」といった相談が６回寄せられていたことが分かりました。
警察によりますと家族は事件化を望まず、容疑者に対して警告したり、ほかの家族に連絡したりするなどの対応をとったうえ、高齢者虐待防止法に基づいて平塚市に通報したということです。
警察は２人が死亡したいきさつや死因を調べています。

平塚市高齢福祉課によりますと逮捕された容疑者とその両親について、警察からは「親子間で虐待のおそれのある事案が起きた」という内容の連絡がことし２月から９月までの間にあわせて４回寄せられたということです。
これを受けて市は聞き取りなどの確認を進め、容疑者と両親が介護をしたり、受けたりする関係ではなかったことなどから高齢者虐待防止法における虐待にはあたらないと判断しました。
そのうえで、生命や財産に危険がおよぶ状況ではないとして容疑者と両親を離すなどの対応はとらず、ことし３月以降、同居した状態で相談にのるなどの支援を行ったということです。
市はこれまで母親と１６回、容疑者と６回のあわせて２２回、相談にのる支援を行い、このうち１回は職員が自宅を訪問する対応をとったということです。
平塚市は「支援を継続してきたが、このような事件が起きて非常に残念です」としています。