【また】反ワクチンがデマ拡散…「米CDCが"ワクチンより自然免疫の方が効果あり"と発表」

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  • 薔薇:ダマスクローズ(照り映える容色)
  • 22/10/11 01:02:47

米CDC「ワクチンより自然免疫が効果」デマの裏側
──フェイクニュースが広がりやすい仕組みを解説

2022/09/14 5:30

今月に入り、「アメリカのCDC(疾病予防管理センター)がワクチンよりも自然免疫のほうが効果があると認めた」という情報が広まり、話題となった。英文記事を引用したTwitter投稿は、5000リツイート、1.5万いいねを集めるなど拡散した。

CDCはアメリカ国内のさまざまな健康問題に対応する組織で、新型コロナ対策の司令塔でもある。そのため、ここまで話が大きくなった。

しかし、これはデマであり、誤りだ。引用された記事は“反科学的な医療情報や反ワクチンに関する陰謀論などを多く発信している”として、Facebookがコンテンツのシェアを禁止しているサイトである。何よりCDCは、「予防接種を受けることは、COVID-19に感染するよりも、より安全に防御力を高めることができる方法」であると、公式ウェブサイト上に記載している。

■デマに利用される公共機関

公的機関がワクチンデマに利用される例は少なくない。

例えば以前、「国の専門機関がワクチンに効果がないと認めた」というテキストとともに、国立感染症研究所のリリースの一部を切り取った画像を貼った、誤ったツイートが拡散された。

これに対して、国立感染症研究所がリリースを出し、「元々の内容を大きく変えたり、自らの主張に都合のいいように一部の文言だけを切り出して使用することは、当所が誤った内容を発信している印象を与えるだけでなく、科学を踏まえた健全な社会の議論を歪めてしまうことを強く懸念しています」と注意喚起するに至っている。

ワクチンデマは、SNS企業などが対策を講じているにもかかわらず、世界中のあらゆる言語で拡散しているのが現状だ。また特に広まるものとして、前述のように「公的機関が発表した」「政府が発表した」などの権威による理由付けがなされているものがある。

一見すると、コロナワクチン接種を推奨しているそれらの機関が、「ワクチンには効果がない」という類いのことを発表したというのは、荒唐無稽なように聞こえる。しかし、この理由付けこそがフェイクニュース拡散において重要な役割を果たす。

ドイツの研究では、完全に誤ったフェイクニュースよりも、部分的に誤ったフェイクニュースのほうが信頼性は高く説得力があり、訂正が困難であることが明らかになっている。

国立感染症研究所のケースでいうと、同機関は確かにリリースを打っており、切り取られた部分も文章には書いていた。しかし、それを誤った文脈で提示することで、「国の専門機関がワクチンに効果がないと認めた」というミスリードな投稿につなげたのである。これにより投稿の信憑性が増す。

今回の件でも、CDCは今年8月にガイドラインを簡素化して、濃厚接触者の隔離を不要とし、代わりに10日間は高性能のマスクを装着することや、5日目に検査を受けることなどを求めた。これを根拠に反ワクチンサイトでは、「CDCがワクチンよりも感染による免疫のほうが有効と判断した」といった拡大解釈がなされていたのである。

さらに、その情報が日本に輸入される際には、「CDCについて言及している英語のニュースサイトがこのように述べている」と紹介される。英語のニュースソースをいちいち確認しにいく人は日本にはほとんどおらず、「英語のニュースに書かれているんだ」という事実が信憑性を飛躍的に高めるのである。

人は「自分の信じたいものを信じてしまう」というバイアス(確証バイアス)を持っている。反ワクチンの人は、このように一部事実を含んだり、権威付けされたりしたミスリーディングな情報を見ると、思わずそれを信じて拡散してしまうのである。


続く

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    • 薔薇:ダマスクローズ(照り映える容色)
    • 22/10/11 01:03:44

    ■フェイクニュースは拡散が速い

    そもそも、フェイクニュースは社会に広まりやすいという特性を持っている。

    2018年、「フェイクニュースのほうが真実のニュースよりも拡散スピードが速く、また、拡散範囲が広い」――衝撃的な研究結果が、科学誌Scienceに掲載された。当該論文では、300万人のTwitterユーザーの間で流布した12万6000件のニュース項目を分析した。分析の結果、次の3点がわかったという。

    ・正しいニュースは最も人気のあるものでも1000人以上に到達することがめったになかったのに対し、虚偽のニュースの上位1%は1000人~10万人に到達していた

    ・真実が1500人以上にリーチするには、フェイクニュースの約6倍、時間がかかる

    ・フェイクニュースのほうが真実より、約70%高く拡散されやすい

    論文の著者らはその理由について、フェイクニュースの目新しさを挙げている。フェイクニュースと事実のニュースについて分析したところ、目新しさに関するどんな指標と照らし合わせても、フェイクニュースが事実を上回っていたのだ。

    人は目新しいものに注目しやすく、また、人々に広めたくなる性質を持っているため、目新しいフェイクニュースを見ると思わず拡散してしまうのである。

    それだけではない。作成・発信されたフェイクニュースを拡散したがるのは、その情報を「信じている人」だということがわかっている。

    筆者の研究チームは、2022年1月に5074名を対象として、ファクトチェック済みの実際のコロナワクチン関連のフェイクニュース6件を使って、調査研究を行った。

    ■SNSだけの問題ではない

    その結果、まず、コロナワクチン関連のフェイクニュースを知った人のうち、平均して21.8%の人が拡散していることがわかった。また、最も多い拡散手段は「家族・友人・知人に直接の会話で伝えた」であり、フェイクニュースがSNSだけの問題ではないことがうかがえた。

    図1は、各フェイクニュースを知った人がどのように判断したか、それぞれ「正しい情報だと思う」「わからない・どちらともいえない」「誤った情報・根拠不明情報だと思う」の3つで回答してもらった結果だ。そして図2は、当該フェイクニュースを拡散した人の中での回答結果である。

    図1 フェイクニュースの真偽判断結果(知っている人全体の中で)

    図2 フェイクニュースの真偽判断結果(拡散者の中で)

    それは、図2で「正しい情報だと思う」人が図1に比べて圧倒的に多く、「誤った情報・根拠不明情報だと思う」人はむしろ非常に少ないということである。

    さらにこれを詳細に分析するため、フェイクニュース拡散行動について回帰分析をしたところ、フェイクニュースを「正しい情報だと思う」人は、「誤った情報・根拠不明情報だと思う」人に比べて、拡散確率が24.2ポイント高かった。拡散確率の平均値が21.8%であることを考えると、この数字がいかに大きいかわかる。

    それだけでなく、「情報を正しく理解、解釈すること」をリテラシーというが、フェイクニュースを拡散する人は「メディアリテラシー」と「情報リテラシー」が顕著に低いということも明らかになったのである。

    これらの事実は、誤った情報を信じている人やメディアリテラシー・情報リテラシーの低い人ほど、フェイクニュースを拡散しているということを示す。一方、訂正情報はなかなか広まらない。私たちが触れている情報環境というのは、そういった拡散メカニズムによってフェイクニュースが広まっていることを理解しなければならない。

    続く

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    • 薔薇:ダマスクローズ(照り映える容色)
    • 22/10/11 01:06:18

    ■フェイクニュース対策とは?

    フェイクニュースは人間社会に昔からあったものだ。インターネットが普及した結果、その規模と拡散スピードが圧倒的に大きく・速くなった。

    対策としてまず我々にできるのは、このように「フェイクニュースは広まりやすく、事実は広まりにくい」というバイアスの強い情報環境に身を置いているということを意識することだ。「自分はだまされない」などとおごらず、怒りや正義感を感じて自分が拡散したくなったときほど慎重になるべきである。

    また、情報に出会ったときは、その情報源が何であるかや、他の情報源ではどのようにいわれているか確認することも大切だ。

    残念ながら、すべての情報にそれらをすることは困難かもしれない。しかし、最低限情報を拡散したくなったときは、それをすべきだろう。情報を拡散するというのは、責任が伴う行為だからである。

    そして情報の真偽を検証した結果、よくわからなかったら拡散しない。1人ひとりがそれを守れば、フェイクニュースの拡散スピードは劇的に落ちるはずである。

    https://toyokeizai.net/articles/-/617629

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