ヘアドネーションという罪。「いいこと」がもたらす社会の歪みについて

匿名

猫鍋

22/05/14 06:46:00

先日、私は自身のヘアドネーション体験記を公開した。記事中につけたアンケートには10代~50代まで1900名近くの回答があり、半数以上の方がヘアドネーションを経験していた。

【写真】ヘアドネーションという罪。「いいこと」がもたらす社会の歪みについて

「誰かの役に立つのなら」「親族のがん治療に立ち会った」「ネットで見かけて気になって」「どうせ切るなら寄付してみた」

そこにはヘアドネーションをしたさまざまな理由が綴られていた。

ヘアドネーション団体の方にもこの声を届けたいと取材を申し込んだが、取材に訪れてみると、そこには「ヘアドネーションは本当に生きやすい社会を作っているのか?」と自問自答する団体の姿があった。

2009年からヘアドネーション事業を行っているNPO法人 JHD&C(ジャーダック)代表理事渡辺貴一さんに話を聞いた。
ーー ヘアドネーションの活動をはじめたきっかけは?

僕は30年以上、美容師でした。37歳で独立を考えた際、美容室はコンビニの約5倍、全国で25万軒ほどあるので、隣の美容室と違うことができないか、何か髪の毛を通じて、髪の毛に恩返しができないかと思ったのが、ヘアドネーションの活動のはじまりです。

「困っているお子さんを救いたい」とかではなく、美容師として髪に携わっているからこそ、髪の毛を活用した取り組みができないかと考えたのです。

1996年頃、アメリカにヘアカラーリストの修行に行っていたんですが、そこでチャリティへの意識の違いを目の当たりにして、カルチャーショックを受けました。同調圧力ではなく呼吸をするように行動をするし「いいことをした」というような雰囲気もない。

そして1997年にアメリカで「Locks of Love(ロックス・オブ・ラブ)」というヘアドネーションのNPO団体ができました。日本では誰もやっていなかったので、自分がやってみようと軽い気持ちで2009年にスタートしました。

切った髪の毛はゴミですが、ゴミだったものに価値が生まれるものとして真っ先に浮かんだのがウィッグです。誰が一番困っているかを調べたときに子ども向けウィッグが手薄だと知りました。

そこで、ジャーダックでは小児用メディカルウィッグを18歳以下の人に無償提供することにしました。

最初は美容室のホームページに「ヘアドネーションをはじめます」と記載してスタートしましたが、少しづつ髪の毛が届くようになった。髪の毛を送った人たちが自身のブログで周知して広がっていったんです。

ーー 軽い気持ちで始めたとのことですが、実際にヘアドネーション活動を経て心境に変化などはありませんでしたか?

本当に色々ありましたが、すぐに分かったこととしては、ウィッグだけ渡したところで何の解決にもならないということです。

2015年末頃、俳優の柴咲コウさんがうちに髪の毛を寄付してくださったことがきっかけでヘアドネーションが急激に広がり、他のヘアドネーション団体も増えました。

そして、そこから良くも悪くもヘアドネーションが「いいこと」に差し替えられて、本質的なものが抜け落ちたまま拡がっていった印象があります。  

ーー 「いいことに差し替えられた」というのはどのような意味でしょうか?

メディアの影響もあります。ヘアドネーションが広がる中で、僕は100回近くヘアドネーション団体の代表としてテレビに出ています。取材で1時間、2時間と話しても、放送される尺としては長くても15秒。


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