重度の知的障がいの男性、コロナ感染 「診察されず死亡」遺族が訴え

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  • 22/03/09 19:31:53

重度の知的障がいの男性、コロナ感染 「診察されず死亡」遺族が訴え
3/9(水) 17:45 Yahoo!ニュース

 新型コロナウイルスに感染し、静岡市立静岡病院に搬送された重度の知的障がいのある男性(24)が十分な診察や治療をされずに自宅に帰され、4日後に死亡したことが9日、明らかになった。男性の遺族が毎日新聞に証言した。亡くなって3週間近くがたつが、静岡病院は遺族に「状況を確認中」と明確な説明をしていない。毎日新聞に対して「規約にないが、今、公表すべきでないと判断した」とし、取材に応じていない。【金子昇太】

 亡くなったのは、静岡市葵区の藤沢大眺(だいち)さん。2月12日夕に40度を超える高熱が出た。意識がもうろうとした様子で顔が真っ赤だったため、弟の雄偉(ゆうい)さん(23)が救急車を呼んで、静岡病院に搬送された。

 静岡病院に到着すると、PCR検査をして個室で待機。大眺さんが車椅子から落ちたり、床に頭を打ち付ける自傷行為をしたりしたため、雄偉さんは個室の扉をたたき、看護師を呼んだ。研修医から解熱剤を渡されたものの、特段の治療もなく、放置されて2時間が過ぎたころ、医者が雄偉さんに大眺さんの陽性を伝えたという。

 医者は療養のため、自宅に帰るように促した。血液中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターの数値が基準の範囲内だったことなどが主な理由だったという。パルスオキシメーターは数値が安定する前に指先から外すと、正確な数値が測れない。雄偉さんによると、大眺さんは測定中、看護師の面前で数秒で外してしまった。また、大眺さんは重度の知的障がいがあるため、医者や看護師に的確に自身の症状を訴えることができなかった。

 帰宅後は雄偉さんが付きっきりで看病した。「だーたん(大眺さんの愛称)、大丈夫だからね。きょう、治るとよいね」とベッドの隣に座り、頭をなでながら声をかけた。熱は上がり下がりを繰り返した。

 2月16日午前。「顔の血の気が急に引いていった」。大眺さんの様子に気づいた雄偉さんは、呼吸などを確認したが、反応がないため、慌てて119番通報した。自宅で救急車の到着を待つ間、必死で心臓マッサージを繰り返した。救急車で静岡病院のICU(集中治療室)に運ばれたが、その場で死亡が確認された。

 大眺さんは雄偉さんと父親の3人暮らし。大眺さんは、好きな音楽が聞こえると、手を振ったり、声を上げたりした。車が好きで、雄偉さんとよくドライブに出かけた。「笑顔がまぶしかった。どのような状況でも、兄のことを最優先にした」。最愛の兄の死に対し、「家に帰っても、兄がいない、声もしない。家全体が静か。兄の部屋に行くと、兄の笑顔や思い出がよみがえる。でも兄はもういない。言葉にできない」と涙目で語った。

 「最初に救急搬送された後、薬を渡されただけで放置された。診察をしてくれていたら、結果は変わっていたのでないか」。なぜ、なぜ、なぜ……。病院の対応への怒りが、雄偉さんの悲しみに追い打ちをかけている。「医療機関が今、どれだけ大変かは分かっているつもりだ。ただ、介護の世界で放置は虐待に等しい。命との向き合い方について、考え直してほしい」と訴えた。

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