ロシアの「勝利宣言」予定原稿がフライング流出…そこから読み解くプーチンの狙いとは

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  • 土佐犬
  • 22/03/03 15:59:20

プーチン〝勝利宣言〟予定稿から読み解くウクライナ侵攻の狙い 軍事評論家「負け戦選ばない」

2022年03月03日 11時30分

 狙いの全貌が明らかに!? ロシアの国営通信RIAノーボスチが2月26日朝に、ウクライナ侵攻に対するロシア政府の“勝利宣言”とも言うべき予定稿を誤配信してしまい、世界中に拡散されている。「新世界が生まれようとしている」との書き出しで始まる内容から読み解けるものとは…。プーチンウオッチャーの軍事評論家が解説する。

 先を見越してあらかじめ作る記事=予定稿の誤配信は絶対にあってはならないミスだ。そのやってはいけないミスが起きてしまった。“世紀の誤配信”をやってしまったのはロシアのノーボスチ通信。しかも、その中身が現在進行中のウクライナ侵攻の“勝利宣言”だったというから目も当てられない。

 誤配信が起きたのはロシア時間2月26日の午前8時ちょうどだった。予約設定されていたと思われるロシア語の記事が、記者の顔写真と署名とともにノーボスチ通信のホームページにアップされた。異変に気づいた担当者がすぐ削除したが、時すでに遅し。誰かによって保存され、世界中に拡散されることになったのだ。

「新世界が生まれようとしている」との書き出しで始まる文章には、西側諸国、とりわけアングロサクソン人と表現する米英への敵意にあふれている。プーチンウオッチャーでロシア情勢に詳しい軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は、ロシア政府の意向が反映されたとみられる“勝利宣言”をこう解読する。

「当初から親ロシア国家のベラルーシに加え、武力侵攻中のウクライナを手中に収めて“大ロシア”復活を宣言した内容です。つまり、今回の武力侵攻を安全保障上の問題と言っていたのは完全な建前で、ウソだったことが明らかになった」(黒井氏)

 プーチン氏のウクライナに対する執着は強い。1991年のソ連崩壊後、冷や飯を食わされていたプーチン氏はKGBの仲間、そしてかつての赴任先だった東ドイツの仲間たちとソ連復活=大ロシア復活のために立ち上がり、2000年に大統領の座にたどり着く。

 その後、かつての仲間たちを情報機関の中枢に据え、民主化の進むロシアを“プーチン帝国”と呼ばれるような専制国家と化した。圧倒的軍事力を持つ米国がオバマ政権時代に「世界の警察」をやめたのをきっかけに、ソ連解体でロシアから離れたウクライナとベラルーシを取り戻し、大ロシア復活への思いを隠し切れなくなった。

「14年のクリミア併合は、まさにプーチンの本性の一端。今回の件で『プーチンがおかしくなった』ともいわれているが、もともと持っていた信念を忠実に実行しているだけ。プーチンは絶対に負け戦を選ばない男で、確実な勝算がなければ武力侵攻などしない。先に“勝利宣言”が流出してしまったが、現状の西側諸国の対応を見れば、このままウクライナを手中に収めて大ロシア復活の本懐を遂げる可能性が高い」(同)

 連日のようにウクライナの惨状が世界に配信されているが、西側諸国が核使用をチラつかせるプーチン氏に手をこまねき、結局、武力侵攻を止められていないのは事実だ。プーチン氏にとって予定よりも長引くなどの誤算はあったかもしれないが、残念ながらここまで大筋で思惑通りに事が進んでいる気配だ。

「大ロシア復活を目指すプーチン氏にとって、ウクライナは第1弾にすぎない。次も非NATO(北大西洋条約機構)加盟国を対象に大ロシアの勢力拡大を狙っているはず。今回のウクライナ侵攻で分かったのは、NATOに加盟していなければ、西側諸国が助けないということ。今後もプーチンはその隙を狙い続ける」(同)

 思わぬ形で誤配信されてしまったロシアの“勝利宣言”。そこにはソ連崩壊後からプーチンが渇望してきた大ロシア復活ののろしが記されていたというわけだ。

https://www.tokyo-sports.co.jp/social/4036172/

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