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- 22/02/07 20:35:59
玄関ドアのドアスコープ(のぞき穴)から、室内がのぞかれたり、盗撮されたりする被害が各地で起きている。本来は外から見えない構造になっているが、美術鑑賞などで使われる単眼鏡(小型望遠鏡)を悪用する手口がネットで拡散。気づかないまま被害に遭っているケースが多いとみられ、専門家は小物で穴を塞ぐなどの対策を呼びかけている。
被害気づかず 「ネットで盗撮する方法を知り、ストレス発散のためにやった」 京都府内のマンションで2020年9月、玄関のドアスコープから室内で着替えていた女性を盗撮したとして昨年8月に府迷惑防止条例違反などで起訴された府内の男(42)は、読売新聞の取材に、消え入るような声で話した。
起訴状や検察側の冒頭陳述などによると、男は女性宅前の通路からドアスコープに単眼鏡を取り付け、スマートフォンのカメラで動画を撮影。自分の好みの女性を探すため、別のマンションも巡ってのぞきを繰り返していたという。 昨年12月に京都地裁で開かれた公判で、男は「多い時は週2回、仕事帰りにのぞいていた」と説明。女性は男と面識がなく、府警が捜査するまで被害に気づいていなかったという。
男は今年1月、懲役2年、保護観察付き執行猶予4年(求刑・懲役2年)の有罪判決を言い渡された。男は取材に「簡単なのではまってしまった。被害者に申し訳ないことをした」と謝罪した。 なぜ見える? ドアスコープは、室内から訪問者の姿を確認するためのものだ。光の屈折を利用して広範囲が見られる魚眼レンズが使われ、外側からはほぼ見えない仕組みだ。
しかし、同じような構造の単眼鏡の接眼部をドアスコープにあてると光の屈折が相殺され、通常のガラスのように、外側から室内が見通せるようになるという。こうした手口はネット上で広く紹介され、警察幹部は「摘発は氷山の一角で、今後さらに被害が増える可能性がある」と語る。
大阪地裁でも昨年12月、大阪府迷惑防止条例違反に問われた大阪市の男(40)が執行猶予付きの有罪判決を受けた。男は昨年7~8月、居住するマンションで、単眼鏡を使って別の部屋に住む女性の着替え姿を撮影するなどしていた。判決は「被害女性らは安心できるはずの自宅で、無防備なところを被害に遭った。下劣な犯行だ」と厳しく指摘した。 対策は? 防犯対策に詳しい立正大の小宮信夫教授(犯罪学)は「室内全てが見渡せるワンルームが狙われやすい」と警告するが、対策は容易にできるという。
室内側ののぞき口にスライド式のカバーを取り付ける金具が市販されており、必要な時だけカバーをずらし、普段は外から見えないようにできる。
最近は、のぞき穴にあらかじめカバーが付いたドアも徐々に普及している。 小宮教授は「カレンダーやマグネットといった手軽なものを取り付けるだけでもいい。盗撮映像がネットに流出すれば、取り返しがつかない被害になる。万が一に備えて対策をとってほしい」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5639552004b5991651f091253e83639e4183ea8c
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