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19年夏にPCR機器を中国が大量発注 米英豪チームが解析
コロナ12月発生説を疑問視
2021年10月5日 4:00
日本経済新聞
米国、英国、オーストラリアの民間研究者は、新型コロナウイルスの発生源となった中国の湖北省で2019年5月以降にPCR検査機器の発注が急増していたとの報告書をまとめた。同年秋までに新型コロナが広がっていた可能性が高いと指摘。同年12月に最初の感染例が見つかったとする中国の説明を疑問視した。
豪州に拠点を置くサイバーセキュリティー会社「インターネット2.0」が主体の調査チームが、中国の公共調達の入札情報を集約したウェブサイトからデータを収集して分析した。チームは米英豪などの元情報機関の職員らで構成する。
報告書は19年の湖北省でのPCR検査機器の調達額が約6740万元(約11.6億円)と18年と比べて2倍近くに増えたと言及した。発注機関別にみると大学が2倍、疾病予防管理センターが5倍で、動物の疾病対策機関の発注も10倍に増えた。病院は1割超減った。(略)
湖北省の月別のデータでは、5月にいったん発注が顕著に増えた。疾病予防管理センターと人民解放軍の発注が目立ち、早ければ5月には初感染があった可能性があると分析している。
7~10月にかけても大幅に増加した。(略)
報告書はこうした発注や調達の傾向は「新型コロナの感染拡大と関連づけられる」と指摘。感染拡大の時期は「中国が世界保健機関(WHO)に新型コロナについて通知するよりもはるかに早いと、高い確度で結論付けられる」と強調した。(略)
中国はWHOに19年12月8日に武漢で初めて症状のある患者が記録されたと報告しているが、米国内ではウイルス研究所から流出し、12月以前に感染が広がっていたとの指摘がある。
米ハーバード大などは衛星画像をもとに、武漢の病院の駐車場の利用率が19年8月に大幅に上昇したとの研究結果を公表している。(略)
チームからデータ提供を受けて独自に分析した井形彬・多摩大大学院客員教授は「これだけでは断定できないが、コロナの拡大を武漢周辺で把握し始めたのが19年12月の半年~数カ月前だったと論じる上で有力なデータだ」と話す。「今回の報告書は、各国が改めて中国に情報開示を強く迫る契機になる可能性がある」と語る。
調査チームのデービッド・ロビンソン氏は「中国から意義のあるデータが提供されていないことで多くの仮説や誤情報がはびこる状況になった。技術を使って信頼性の高いデータを提供している」と調査の意義を説明する。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA233970T20C21A9000000/?n_cid=SNSTW005
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