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- 徳川家康
- 21/04/21 20:44:14
2021/04/21 17:48
秋田県由利本荘市岩城勝手の国道7号で19日夕、横断歩道を渡っていた女子中学生が羽後交通の路線バスにはねられ、頭を強く打ってまもなく死亡した。県内では今年、交通事故に遭った子どもが10人(19日現在)と前年同期の3人から増加しており、県警や県教育委員会などは20日、緊急対策会議を開き、通学路の安全対策強化などを確認した。
事故現場を調べる警察官(19日午後9時6分、由利本荘市で)
秋田県警由利本荘署の発表によると、死亡したのは秋田県能代市の中学2年、甲谷美璃菜さん(13)。同署は、バスを運転していた同県由利本荘市石脇、藤田裕太郎容疑者(33)を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕し、過失運転致死容疑で調べている。
同署や同社によると、バスは由利本荘市から秋田市に向かっていた。乗客35人にけがはなかった。現場は「上新谷」バス停そばの横断歩道で、信号機はなかった。この日、甲谷さんは友人と一緒に秋田市に行っていたといい、友人は同署の調べに、現場にいた理由について「バスを間違えてしまった」と話したという。甲谷さんは秋田市方面から路線バスに乗り、同バス停で降りた後で事故に遭ったとみられる。
県警交通企画課によると、県内で中学生以下の子どもが死亡した交通事故は2014年3月以来、7年ぶり。秋田市では4月、小学生が車にはねられ重傷を負う事故も相次いで起こっており、20日の緊急会議で同課の佐々木薫課長は「大変危機的な状況」と述べた。
同課によると、16〜20年の交通事故による死者203人のうち72人が国道で被害に遭い、今年も5人が亡くなっている。交通事故対策に詳しい秋田大の水戸部一孝教授(人間情報工学)は「直線が多く見通しの良い国道は速度を出しやすい。横断歩道に信号を設置するほか、街灯を明るくするなどしてドライバーが歩行者に気づける道路環境をつくることも重要だ」と指摘している。
「危険なバス停」リスト漏れ
羽後交通の「上新谷」バス停(由利本荘市方面)は間近に横断歩道があるにもかかわらず、国土交通省が昨年公表した交通事故を誘発する恐れがある「危険なバス停」のリストに入っていなかった。同省秋田運輸支局は20日、「危険なバス停」に当たるとして同社にリストの再提出を求めた。事故との関連は不明という。
同支局によると、停止したバスの車体が横断歩道にかかる最も危険度の高い「Aランク」に相当するという。同社は「リストから漏れていたのは事実。漏れた原因を含めて精査したい」としている。
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