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ザビエル
「日本人なら中国人の3分の1で済む」アニメ制作で進む"日中逆転"の深刻さ
日本が中国の下請けになっている
2021/04/06 15:00
日本のアニメスタジオが、中国企業の下請けになるケースが増えている。新聞記者の中藤玲さんは「中国の求人サイトによると、アニメーターの平均月収は杭州では3万4062元(約52万円)。一方、日本では月収17万5000円でも業界平均よりずっと高い。中国と日本の関係が逆転しつつある」という――。(略)
◆中国は日本の年収の3倍でも軽く出せる
(略)
調査会社帝国データバンクでアニメ業界の動向を調べる飯島大介氏は「市場が拡大する中国にとって、日本のアニメーターは喉から手が出るほどほしい。日本の年収の3倍でも軽く出せるので、今後も中国勢からの人材引き抜きは激しくなるだろう」とみる。(略)
その背景には、日本人アニメーターの給与が安すぎるという現実がある。
アニメ産業は「日本のお家芸」と言われるが、その労働実態は長時間・低賃金がはびこる。
一般社団法人日本アニメーター・演出協会(東京・千代田)の2019年の調査では、日本で正社員として働くアニメーターは14%。大規模な一部の制作会社を除き、半数以上が委託契約のフリーランスだ。
アニメーターの平均年収は440万円で、1カ月の休日は5.4日。新人は年収が約110万円という調査もある。
現在の収入に満足するアニメーターは3割弱で、8割が老後の心配や精神的疲労を訴えた。(略)
◆赤字のアニメ制作会社の割合は2018年に3割を超えた
一般社団法人の日本動画協会(東京・文京)によると、日本のアニメ産業市場規模は10年連続で増えており、2019年は09年比で約2倍の2兆5112億円だった。
「鬼滅の刃」が幅広くヒットし、劇場版でも新海誠監督の最新作「天気の子」が興行収入140億円を突破するなど明るい話題があった。一方で、同じ2019年のアニメ制作会社(273社)の売上高合計は2427億円と市場規模の約1割にすぎない。
取り分が増えず、制作会社の疲弊は進む。日本には270社以上の制作会社があるとされるが、帝国データバンクによると、赤字のアニメ制作会社の割合は2018年に3割を超えた。過去10年で最高で、倒産や解散も過去最多だった。(略)
◆日本が中国の下請けに
カラード社の江口CEOには苦い思い出がある。
「このクオリティーだと配信できない」
ある時、カラード社の人手が足りずに日本の制作会社に作画を外注したところ、中国本社から厳しく突き返されたのだ。江口CEOは「中国は豊富な資金力でデジタル作画の設備がそろい、アニメの質が格段に向上している。日本の待遇の悪さは質の低下、最終的には業界の停滞につながりかねない」と指摘する。
既に「日本のトップ級以外のスタジオは、単価が安いけど質が悪いので発注できない」(中国の配信大手)という声も出始めている。中国の求人サイトによると、アニメーターの平均月収は杭州が3万4062元(約52万円)で、北京では約3万元(約45万円)だった。けん引しているのはスマホなどのゲーム動画だ。高収入のため、中国ではデッサンなどの基礎技術を4年ほど美術大学で学んだ人がアニメーターになる例が多い。
「ニコニコ動画」の中国版とも呼ばれる動画配信大手の「Bilibili(ビリビリ)」。日本のアニメ製作委員会に投資し、日本アニメを作る現場のノウハウを蓄積した。そして専門学校などでアニメ制作を学ぶ中国人学生の支援を手厚くし、中国の国産アニメを底上げしている。
「これまでは中国が日本アニメの下請けだったが、もはや逆転している」(江口CEO)
スキルの継承が進まなければ、やがては海外からの発注も無くなっていく。つまり「買われるアニメ」は業界が抱える問題の裏返しでもある。
自社での人材育成や設備投資による生産性の向上には、安定した利益確保が必要だ。製作委員会方式はリスク分散の利点もあるが、今後はグローバル競争を見据えた利益還元の仕組みも不可欠だろう。
プレジデントオンライン
https://president.jp/articles/-/44767
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