• No.1 長宗我部信親

    21/03/15 11:58:21

    ●「殺してやりたいと言ったとしても、本心ではありません」

    だが、事件について、KとSは起訴事実を認めていたが、Aは「共謀の事実自体認めてないです」と共謀してXさんを殺害したことを否認し、無罪を主張していた。弁護人も、冒頭陳述で次のように述べる。

    「『あいつ、殺してやりたい』『あいつ、殺っちまおうぜ』……そんなセリフを直接聞いたり、ネットで見たりしたことがあるかもしれません。こうした言葉は繰り返したり、または悪ノリで拡がっていきます。

    しかし、そのセリフを言っている人が皆、本当に殺したいと思って言っているわけではありません。意志までは持っていないことは、少なくありません。Aさんは『殺してやりたい』と言ったことはありますが、本心ではありませんでした。しかし、Sがその言葉を真に受け、それに乗じて殺してしまったのが、今回の事件なのです」

    Aの“殺してやりたい”発言は、冗談であり、本心からのものではなかったという主張だ。本人も尋問の際に「そこまでは言ってません」「そこまでの話はしていません」など、繰り返し述べた。だがこの言葉を聞いて、犯行の実行役を担ったSの証言は全く異なっている。

    「Xさんが仕事場から飛んでしまったとき、保険金の話が出ました。保険金をかけるとか、得ようというようなニュアンスのことを……『もう、あいつやるしかないでしょ』と言ってたので、Xさんのことを言っているのだと思いました。それより前に『やる』という話は何回かありました。でもこのとき、保険金というワードが出て来たので、そういうことだったのは、分かりました」(Aの公判に証人出廷したSの証言)

    さらにその後「Kを実行役にして、水難事故に見せかけて殺害する」と聞かされたともいう。ところが、もともとXさんと仲の良かったKは実行役を拒否。事件直前に、Sが実行行為を担うことが決まった。

    S「ほんとにやるんですか」
    A「やるよ」
    S「本当に大丈夫なんですか」
    A「大丈夫」

    ●「時間的にもアレだし、そろそろやんないと」

    そして事件前日の忘年会の日。焼肉店で食べ放題メニューを食べたのち、キャバクラで飲酒。ほろ酔いの中、漁港の岸壁で釣りに興じるXさんとKを見ながら、AはSに言ったという。

    「時間的にもアレだし、そろそろやんないと」

    これを聞いたSは、やらなければならないなと思い「わかりました」と返事をして、車を降りた。

    「気づいたらKが、自分の後ろに移動して来てたんで、『いってきます』と言って、Xさんを押して、海に落としました。そのあと車に戻り、Aさんに『やりました』と言ったら『了解』と……驚いた様子はなかったです」(同)

    Aは共犯らによるこうした詳細な証言があっても、否認を続けた。被告人質問では生命保険の契約に関して問われ「外交員が応接室で何かやってると思いましたが、契約までしてると思ってないです」と返答、自分からXさんに持ちかけた養子縁組の話も「言っていません」と、事件までの重大な局面での自身の関与をほぼ否定した。

    K、Aの判決では、検察官の主張の通り、Aが主導して事件を起こしたことが認定された。

    「事故を偽装して殺害し、死亡保険金を得るためにSと共謀し、埠頭でXさんをその背後から背中を押して海に突き落とし溺死させ殺害した」(Aの判決より)

    Aは結局、死亡保険金を受け取ることはできていない。なぜ自分が海に突き落とされたか理解できぬままに亡くなったXさんの命も、戻ってはこない。

    https://www.bengo4.com/c_1009/n_12687/

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