• No.1 北条氏綱

    21/02/01 20:19:24

    デコるのでなく、削ぎ落としていく

     そして、ある種の品格を支えているのが、抑制された静かな表現なのでしょう。足し算や掛け算でどんどんデコって注目を集めるのではなく、引き算と割り算で削ぎ落としていく。大切なことを話すときは小さい声の方が伝わるといった真理に通じる話かもしれません。今回のライブでも、「夢先案内人」の艶っぽくもさわやかなニュアンスに、ハッとさせられました。

     アスリートのように力技で歌い上げる歌手ならば見逃してしまうであろう、行間ににじむ反語的な色彩をすくい取っていく。これも、“上手い”のではなく“よい”と言うほかない点でしょう。
    楽曲の幅の広さも圧巻

     そして、2時間半におよぶ長丁場でも飽きずに見られたのは、バラエティに富んだ楽曲によるところも大きいでしょう。歌謡曲というフォーマットに、洋邦様々なジャンルからの影響が落とし込まれたセットリストは圧巻でした。

     「いい日旅立ち」(作詞・作曲 谷村新司)や「秋桜」(作詞・作曲 さだまさし)のように、日本人の琴線に触れる王道ソングから、阿木耀子・宇崎竜童コンビによる実験的でありながらキャッチーな曲の数々。この振れ幅の大きさが、そのまま歌手、山口百恵の器の大きさを表している。
     ちょっと間違えばとっ散らかりそうなのに、一本筋の通ったステージングにしてしまう説得力は、他に類を見ません。

     引退から41年経ったいまも、鮮烈な印象を残す山口百恵。まさに、カリスマという言葉がぴったりの、偉大なアイドルだったのだと痛感します。

    <文/音楽批評・石黒隆之>

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