- なんでも
- 風魔小太郎(強い)
- 20/09/10 17:15:13
安倍首相は通常国会の会期末会見で後継について聞かれ、次のように答えている。
「言わば後継者を育てるどうこうという話がございましたが、後継者というのは、育てるものではなくて、育ってくるものであります」
また安倍首相は『月刊Hanada』に掲載されたインタビューで、「(後継は)同僚議員の支持を得なくてはならない。その際、引きつけるのはやはり情熱なのだろう」と語り、次期総裁に必要なキーワードとして「情熱」を挙げた。
一連の安倍首相の発言からは、岸田氏を念頭に置き激励する意図が感じられる一方、岸田氏が思い通りに育っていないことや情熱が不足していることを嘆き、後継として本当に相応しいのか逡巡しているのではないかとの見方が広がった。同時に、岸田氏より菅氏の方が後継に適任だと感じているのではないかとの憶測も呼んだ。
岸田氏は麻生氏と会談した翌日の8月31日、首相官邸で安倍首相と向き合った。岸田氏は安倍首相に総裁選での支援を正式に要請したが、安倍首相は岸田氏が“総裁候補のひとり”であることを認めつつも、「私自身が個別の名前を挙げるのは控えている」と述べるにとどめた。岸田氏の安倍首相からの“禅譲シナリオ”が明確に崩れた瞬間だった。
その“禅譲シナリオ”を岸田氏から奪う形になったのが、いち早く動いた菅義偉官房長官と二階俊博幹事長だった。安倍首相が辞任表明した翌日の29日、菅氏は衆院赤坂議員宿舎で二階氏と二階氏側近の林幹雄幹事長代理、森山裕国対委員長と面会し、前向きに出馬を検討する意向を伝えた。二階氏ら出席メンバーはかねてから、次の総裁選に菅が出馬すべきだと言い続けていたが、この日の菅の反応から、「出馬は固い」と確信し、二階派として他派閥に先駆けて菅支持を固めた。
そして30日に菅氏が出馬の意向を固めたことが明らかになると、菅氏が本命との見方が一気に広がる。さらに安倍首相と岸田氏の会談により、首相が岸田氏を推さない姿勢が明らかになると、麻生派は同日、二階派に続いて菅氏支持を決め、その夜には安倍首相の出身派閥である細田派も菅氏支持を事実上決めた。
これにより岸田氏の、党内最大派閥の細田派と第二派閥の麻生派の支持を取り付け、選挙戦を優位に進めるという目論見は完全に崩壊したのだった。
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