• No.2 戸沢盛安

    20/08/27 01:47:39

     韓国人の嘘の遺伝子は、最近作られたものではない。オランダ人のハメルは、1627年に朝鮮に漂着して以降、朝鮮での生活経験を『朝鮮幽囚記』に残した。本書でハメルは、「朝鮮人は嘘が上手だ。人を騙すことを恥ずかしく思わず、むしろよくやったと思う」としている。また、韓国では独立運動家・教育者として有名な安昌浩は、「民族改造論」で、「この民族を現在の衰退から救い出して、幸福と繁栄の将来に導こうと思う兄弟姉妹に差し上げます。(中略)第一、嘘と欺く行いがありませんように……」とし、韓民族の直すべき悪習の第一は、嘘と人を欺く行為、すなわち詐欺だと指摘した。

    ■盲目的反日に疲れを感じる一般市民の数が少なくない

     先日、韓国で『反日種族主義』という本が世間を騒がせた。日本でもかなり反響があったと聞いている。この本が出版された直後、当時青瓦台(大統領府)の民情首席秘書官だった、タマネギ男と称される曺国という者は、「吐き気がする本」と言った。「韓国の嘘文化は、国際的に広く知られている事実」という書き出しで始まるこの本は、右派の独善と情念に偏った本だといった、韓国内での評価にもかかわらず、ベストセラーになった。

     ここで私たちは韓国社会で『反日種族主義』がベストセラーになった理由について考えてみる必要がある。これまで韓国社会で、植民地近代論を称える本がベストセラーになったことは、一度もなく、絶対あり得ないことなのだ。ベストセラーどころか、ややもすると、出版禁止になるのが落ちであった。

     それは民主党左派政権が、自分たちの政治的危機の度に「伝家の宝刀」のように使ってきた官製民族主義や愛国主義、つまり、盲目的反日に疲れを感じる一般市民の数が少なくないことを示している。つまり韓国社会に蔓延している反日感情が果たして妥当かどうかを疑い、この30年間従軍慰安婦問題を独占した「正義連」を中心に唱えられてきた、反日民族主義的歴史認識に、嘘や歪曲があったことに、韓国国民も少しずつ気づくようになったことを意味する。

     韓国がいくら未来と和解を叫んでも、国家間の合意や約束を平気で無視し、覆すなら、国際社会で韓国の言葉と行動を信じてくれる国は、どこにもないだろう。

     相手の非をとやかくいう前に、まず自分の非を冷静に振り返るべきではないか。「リプリー症候群」という反社会的パーソナリティ障害がある。リプリーとは、アラン・ドロンが「太陽がいっぱい」でマット・デイモンが「リプリー」で演じた主人公の名で、つき続けた嘘を真実だと信じるようになる病を指す。韓国は、そのリプリー症候群にかかった社会ではないか。

    李東原(イ・ドンウォン)
    日韓関係史が専門の評論家

    週刊新潮WEB取材班編集
    https://www.dailyshincho.jp/article/2020/08251700/

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