「裏原宿ブランド」所得隠し３億数千万円…国税指摘

東京・原宿で「裏原宿ブランド」と呼ばれ、若者に人気の服飾店の経営会社二十数社が国税当局の税務調査を受け、２００３年までの５年間に、少なくとも計３億数千万円の所得隠しを指摘されていたことが１日、わかった。

　東京都港区のコンサルタント会社役員の関係会社を通じて仕入れた商品の代金の一部が、会社役員への交際費と認定されたもので、追徴税額は約１億円に上るとみられる。会社役員も４億数千万円の所得隠しを指摘され、重加算税など約２億円を追徴されたという。

　所得隠しを指摘されたのは、いずれも東京都渋谷区内でブランド店を経営する「ノーウェア」「ソフ」など。

　関係者によると、コンサルタント会社役員は、在庫品や流行遅れの商品を安く仕入れ、複数の赤字業者などを経由させて、最終的に裏原宿のブランド会社などに高値で卸していた。役員は、赤字業者などが得た転売益の一部を受け取っていたが、申告しなかった。

　一方、ブランド店は、役員側から仕入れた衣料品などを一定期間、販売していたが、売れ残り分を焼却処分していたという。このため、国税当局では、ブランド店が不必要な仕入れを行って役員に利益を提供していたと判断し、仕入れ費用の一部を役員への「交際費」と認定したとみられる。

　ノーウェアなどの代理人を務める矢田次男弁護士は「国税当局との見解の相違があり、指導に従って修正申告した。重加算税を課されるなら、納得できないので争う」としている。