永長
2020年5月17日 1時5分
AFPBB News
[画像] 性的暴行に及んだ父刺殺のロシア人3姉妹、捜査当局はあくまで殺人罪で起訴求める
【AFP=時事】ロシアで2018年に性的虐待や暴行を長年繰り返した父親を殺害した3姉妹をめぐり、検察当局が事件として取り扱うことをやめるよう連邦捜査委員会(Investigative Committee)に求めていたにもかかわらず、同委員会が拒否していたことが分かった。姉妹の弁護人が13日、明らかにした。
長女のクリスティーナ・ハチャトゥリャン(Krestina Khachaturyan)容疑者、次女のアンゲリーナ(Angelina Khachaturyan)容疑者、三女のマリア(Maria Khachaturyan)容疑者は2018年7月、モスクワ市内の自宅で父親のミハイル(Mikhail Khachaturyan)さんを刺殺。
ミハイルさんは、事件当時それぞれ19歳、18歳、17歳だった3姉妹をレイプしたり、虐待したりした他、学校へ行くのを妨げたという。
クリスティーナ容疑者とアンゲリーナ容疑者は、有罪となった場合、最大で禁錮20年が言い渡される可能性があった。
この事件は、姉妹たちの凄惨(せいさん)な生き様の詳細が明るみに出たことで注目を集め、姉妹を支持する激しい抗議デモを招いた。
検察当局は今年1月、父親の「意図的」な虐待を捜査当局が考慮しなかったとして、連邦捜査委員会に対し事件として扱わないよう要求。
この動きは、ロシアの市民社会にとって大きな勝利となるほか、他の女性たちを救う法律上の先例にもなるとみられていた。
しかし、クリスティーナ容疑者の弁護人は13日、重大犯罪の捜査を担当する連邦捜査委員会が「検事総長室の見解を無視すると決定」したと発表。AFPに対し、検察側が今も見解を曲げないことを願うと述べた。両者が合意しない限り、この事件が起訴されることはないという。
連邦捜査委員会や検事総長室からのコメントは得られていない。
連邦捜査委員会は、姉妹が父親を刃物やハンマーを使って父親を殺害したとして、クリスティーナ容疑者とアンゲリーナ容疑者を計画的殺人の罪で起訴するよう勧告していた。
弁護人や活動家らは、姉妹が自分たちの命を守るため、父親の殺害を余儀なくされたと主張し、ドメスティックバイオレンス(DV)の被害者に対する国内での法的保護が不十分であると指摘していた。
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