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- 延喜
- 20/04/23 23:06:55
全国初の高校生町内会長誕生か-。鹿児島市唐湊2丁目、山の手町内会の会長に、今春3年生になったばかりの金子陽飛(はるひ)さん(17)が就任した。「先輩たちが守ってきた歴史や規律を守りつつ、デジタル技術を使って新時代の町内会をつくりたい」と意欲的な金子さん。総務省によると、高校生が町内会長になったケースは「聞いたことがない」(担当者)という。
今期の役員を決める総会は12日に唐湊福祉館であった。「私がやります」。会長がなかなか決まらず重苦しい雰囲気を打ち破ったのは金子さんだった。同席した“ベテラン”たちは、一瞬驚きの表情を見せたが、すぐに納得したように温かい拍手で承認した。
金子さんは鹿児島大准教授でまちや地域づくりを専門とする父満さん(46)の影響を受け、学生たちと一緒に昨年10月から荒田2丁目の地域活性化プロジェクトに参加。ワークショップでは、「助け合い」「信頼関係の構築」など既存の町内会のよさを踏襲しつつ、情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)を融合させたアイデアを出し合った。
当時の経験から「自分の住む唐湊2丁目でも応用できる。今すぐ地域貢献をしたい」と立候補を決意。インターネットを使って学習する学校法人角川ドワンゴ学園の「N高等学校」に籍があり、「昼夜問わず自由が利く」のも好都合だった。14日から始めたブログに就任の意気込みや感想などをつづっている。
18日の役員会は新型コロナウイルスを考慮して中止したが、「あいさつはコミュニケーションの基本」と感染防止対策を講じて各役員の自宅を訪問した。会計係の川添光子さん(74)は「1年後の彼が『やってよかった』と言ってくれるよう全力で支える。実力が未知数な分、どう変化するか楽しみ」と笑う。
市地域振興課によると、市内の町内会加入率は53.6%(2019年4月現在)で16年から減少が続いている。堀田竜也課長は「高校生が町内会長をやっては駄目という規約はない。若い世代が町内会活動に注目してくれるよう頑張ってほしい」とエールを送った。
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