- なんでも
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- 20/04/13 07:22:07
茨城県立学校の休校措置を県内10市町に限った県の方針について、大井川和彦知事は改めて、方針を継続する見解を示した。10日の記者会見では、新型コロナウイルス感染拡大の長期化を見据え、「教育の質」維持を重視した判断であることを強調した。特に、休校に伴い授業時間が確保できなくなる事態を懸念。お盆休みを除く夏休みの平日全てを授業日に充てた場合も、6月12日までの休校延長が限界だとする試算を示した。
大井川知事は、首長や生徒による休校要請など各地で県立校再開に不安の声が高まる中で、「(一斉休校により)教育崩壊に陥る恐れを想定し、合理的に判断した」と訴え掛けた。
県は県南西地域の9市町と神栖市の「感染拡大要注意市町村」10市町に所在する県立学校を5月6日まで休校する。一方で市町村は、感染者が出ていない地域も含め全44市町村が小中学校の休校に踏み切った。水戸市や筑西市などは、県立高の休校を求める要望書も県に提出している。
こうした動きに対し大井川知事は「学校が感染拡大の要因となっていない」とする専門家の意見を説明。その上で「県内で(感染が)ある程度コントロールできている今のうちに、しっかりと授業を進められるだけ進めたい」との考えを強調した。
県立中・高で新型コロナ不安による欠席者が5・6%に上る今月9日の登校状況も提示。知事は「決して恥ずかしいことではない。胸を張って自主的な休みを取っていい」と生徒に寄り添う姿勢を見せ、オンライン学習などで支援していく計画を説明した。
県立日立一高(日立市)の一部生徒が全県立高の休校を求め「ストライキ」を行っていることについては「それぞれ真剣に考えての行動。意見表明は立派なことだ」と理解を示した。
その上で大井川知事は、休校措置解除の基準作りやオンライン学習用の財政支援などを文部科学大臣に申し入れたことを明らかにした。(前島智仁)
■日立一高スト「数字より実情を」
新型コロナウイルス感染拡大に危機感を示し、県立高全校の臨時休校を求める県立日立一高3年生有志による「ストライキ」(同盟休校)決行で、知事の記者会見をインターネット中継で見た有志代表の生徒は10日、「自分たちの意図が正確にくみ取られていないと感じた」と話し、「(欠席率の)数字ではなく、不安を抱えながらも学校に行っている生徒がいるという学校現場の実情をきちんと見てほしい」と訴えた。
ストは8日から10日までの3日間行われ、10日は前日と同様に約80人が登校しなかった。有志代表は10日午前、県教委高校教育課や日立一高の青木睦人校長と電話やメールで連絡を取ったが、進展はなかった。
知事会見を受け、有志の間では「来週13日以降もストを続けるべき」との意見が多く出された。12日午後にも態度決定する。生徒らによると、周囲に賛同を強いる動きはしておらず、下級生に活動を広げる考えはないという。
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