• No.2 永徳

    20/04/13 01:09:56

    ●治療に効果はあったのか?
    石橋さんは今回の逮捕前、週1回の診察に加え、認知行動療法(ものの捉え方を修正するためのプログラム)やグループミーティング、ストレス発散のためのボクシングプログラムなどをおこなってきた。また、薬物療法も受けていた。

    今回の事件を起こした際も薬を飲んでいたという。

    治療に効果はあったのか。検察官にこう尋ねられると、石橋さんは「期間が短かったので…でも多少は効果があったと思います。薬で女性を触りたいという欲求はおさまりました。(事件を起こしたときに)飲んでいた薬は効かなくなったのだと思います。その後、効果の強い薬に変えてからは欲求はおさまりました」。

    會田さんは「石橋さんは病識が薄かった。治療期間も2カ月と短く、治療のうちには入らない」とした。そして、治療の効果については、つぎのように説明した。

    「『石の上にも3年』といわれるように、一般的には最低でも3年の治療が必要だといわれています。もっといえば、治療は一生涯続けることが望ましいとされています。石橋さんも病気であると認識し、治療を継続していくことで回復できる可能性はあります」
    ●「こわい思いをさせて申し訳ありません」
    事件当時、石橋さんはなにを考えていたのだろうか。

    石橋さんは3人の女性に対して「まわりに人がいないことを確認して、後ろから追いつきざまに胸を触った。揉んだというよりもタッチした」と話した。同じ日にAさんだけではなく、Bさんの胸も触った理由は「もう1人また来たので、触ってみようと思った」。

    被害者には抱きつかないようにしようと考えた。その理由は「強制わいせつにならないようにしました。条例違反になればと…抱きついたら刑が重くなるので」。

    過去に女性に抱きついたときは「強制わいせつ」となり、抱きつかなかったときは「迷惑防止条例違反」になったことがあるのだという。

    ただ、AさんとBさんの胸を触ったことは事実だが、「抱きついてはおらず、胸を揉んではいない」と主張。Aさん・Bさんの事件について「強制わいせつ」の罪で起訴されたことに納得していない様子だった。

    ところが、女性2人の話と石橋さんの主張は食い違っているという。また、石橋さん自身も警察の取り調べで女性2人の胸を数回揉んだと話したとされる。

    石橋さんは、被害者に対してどのように思っているのだろうか。

    途中で弁護人に「被害者に謝罪できますか」と聞かれた石橋さんは裁判官の方を向き、「こわい思いをさせて申し訳ありません。本当に申し訳ありませんでした」と述べた。

    ●「新たな被害者を生まないために」
    裁判を終えた會田さんは「被害者はとてもこわかったと思います。クリニックに来る被害者は誰もが恐怖を訴えています」と語った。

    石橋さんは被害者の恐怖を想像したことがあるのだろうか。五十嵐さんは「まだ彼は、自分のことしか考えていない。被害者のことはまったく考えていないと思います」。

    これまでも性犯罪を繰り返してきた石橋さんは、再び刑務所に服役する可能性もある。しかし、彼はいつかはまた社会に戻ってくる。そのときに「新たな被害者を生まないため」に、五十嵐さんと會田さんは自分たちにできることを引き続きおこなっていくという。

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