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- 20/04/03 15:07:34
米保健当局、外出時の布製マスク着用を検討 米紙が内部資料入手
2020年04月2日
【画像】米イリノイ州アルシップでは、アウトドア用品会社ノースケープの従業員がマスクを縫っている
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、アメリカの保健当局が、すべての国民に対して外出時に顔を覆うよう推奨するかどうかを議論していることが明らかになった。
米紙ワシントン・ポストが入手した米疾病対策センター(CDC)の内部資料によると、普通の布製のマスクでさえ、ウイルス感染のリスクを軽減するのに役立つ可能性があるという。スーパーマーケットでの買い物などの単純作業を行う場合も、公共の場でマスクを着用することで感染拡大の防止につながる可能性があるとしている。
この指針は、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策タスクフォースの間で検討するために共有されていると、ワシントン・ポストは報じている。
ドナルド・トランプ米大統領は、「スカーフが使える」と提案している。
現行のガイドラインでは、マスクは医療従事者、病人、介護者のみが着用する必要があるとしている。
米国内では現在、N95マスクや外科手術用マスクが不足しており、医療従事者は1枚のマスクを複数回使用するよう、あるいはマスクがない場合はバンダナを使用するよう指示を受けている。
これまでに米国内で感染が確認された人は19万人以上に上り、約4000人が死亡している。
■マスク使用をめぐる論調の変化
いまのところ公式ガイダンスへの変更はなされていないが、ここ数日の間に、アメリカ当局の論調が明らかに変化している。
今年2月、ジェローム・アダムス公衆衛生局長官は、「マスクを買うのをやめろ! マスクには新型コロナウイルス感染から一般市民を守る効果はない。一方で、患者の治療にあたる医療従事者がマスクを入手できなければ、医療従事者自身や地域社会を危険にさらすことになる!」とツイートした。
さらに、あるインタビューでは、「適切なマスクの着用方法を知らない人たちには、自分の顔を頻繁に触る傾向がある」ので、マスクを着用することで新型コロナウイルスに「感染するリスクが高まる」可能性があると発言していた。
ところが、アダムス氏は1日、米ABCテレビの番組「グッドモーニング・アメリカ」で、「我々は、無症状の感染が相当数拡大しているのを確認している」とし、CDCはマスクに関するガイドラインの見直しを求められていると明かした。一方で医療用マスクについては、最も必要としている医療従事者のために残すべきだと強調した。
この前日の3月31日、アメリカの感染症の第一人者の米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長のアンソニー・ファウチ博士も同様に、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策タスクフォースが、より幅広いマスクの使用を推奨するかどうかについて積極的に議論していると述べた。
ファウチ氏は米CNNに対し、医療従事者用のマスクが十分に供給されれば、「医療現場以外でのもっと幅広い、地域全体におけるマスクの使用を推奨すること」に自分の「考えが傾く」だろうと述べた。
一方で、複数専門家は、マスクを着用している時も、「社会的距離」措置や徹底的な手洗いを続けることが重要だと強調している。
>>1 マスクは有効か? そしてなぜ混乱が?
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