Official髭男dism、若者から支持される理由 独特なキャッチーさと瑞々しさ

匿名

匿名

19/11/14 14:34:09

2019年11月14日 08:03

毎年この時期になると話題になるのが、大みそか恒例『NHK紅白歌合戦』の出場者についてだ。

特にその年を代表するアーティストが肩を並べる初出場組の発表は、音楽ファンから高い注目を集めている。

昨年はSuchmosやあいみょん、米津玄師など若者を中心に高い人気を誇ったミュージシャンが初出場を飾ったが、今年の有力候補の一組に名が挙がっているのは、Official髭男dism(ヒゲダン)だ。改めて彼らの魅力について紹介したい。

ヒゲダンの楽曲の魅力を語るに当たって、実は大きな要素を占めているのがその印象的なイントロだ。

たとえば、彼らの実質的な出世作となった『ノーダウト』のギターとピアノによる幕開け感の強いインパクトがあるイントロや、すっかり代表曲となった『Pretender』の聴く者の心をぐっと掴んで離さない求心力の高いギターのアルペジオなど、ふと耳にしただけでも印象に残りやすいイントロが多い。

ヒット曲の多くはサビにキャッチーな歌メロや覚えやすいリフなどがあしらわれていることが多いが、ヒゲダンの楽曲においてはサビはもちろんのこと、イントロが何よりもキャッチーでメロディアスなものが多いように感じられる。

最近では若者を中心にYouTubeやサブスクリプションサービスをきっかけに新しい音楽に出会うという層が増えている。

CMやドラマなどのタイアップをきっかけにヒットする楽曲も今でも多い。
現にヒゲダンもブレイクしたきっかけはドラマ・映画の主題歌に前記の楽曲が抜擢されたことだった。

ただ、その前にYouTubeやサブスク配信によって若者の間で注目を集め、そこからヒットの火がつくパターンが多いのが現状だ。

YouTubeやサブスクでは楽曲のさわりであるイントロで判断されてしまう可能性が非常に高い。リスナーはザッピングするように音楽を聴いているため、イントロに求心力がないと最後まで聴いてもらえないかもしれない。
その点、ヒゲダンの楽曲はイントロでの求心力がかなり高く、一瞬でリスナーの注目を集める瞬発力を持っているといえるだろう。

さらに、サビのキャッチーさもヒゲダンならではのものになっている。作詞作曲を手掛ける藤原聡(Vo,Pf)が伸びやかに歌い上げるメロディは一見聴き取りやすく覚えやすいためカラオケなどでも人気の楽曲も多いが、いざ歌ってみると細かな節回しが特徴的なものであることに気がつくだろう。

あくまでJPOP的でありながら、R&Bの要素なども感じられる独特のグルーヴ感は“歌えそうで歌えないキャッチーさ”を生み出し、何度でも聴きたくなる、歌ってみたくなる楽曲としての魅力を醸し出している。

 <グッバイ/君の運命のヒトは僕じゃない/辛いけど否めない でも離れ難いのさ(Pretender)>

 <Let me show 神様も ハマるほどの 大嘘を oh/誰も ハリボテと 知るよしもない(ノーダウト)>

 <Stand By You いつもStand By You/涙のターミナル Uh Uh 並んで立っている(Stand By You)>

これらなど、サビの一番印象に残る部分の歌詞にリズミカルでありながら情感豊かな言葉を配している点も、ヒゲダンの楽曲の求心力を高めている要素のひとつだろう。

ヒット曲の特徴として“キャッチーさ”は必ず言及されるものだが、ただわかりやすく覚えやすいだけではその場で消費され、忘れ去られてしまう危険性すらある。

そんな諸刃の剣であるキャッチーさを完璧に味方につけ、“ヒゲダンらしさ”の域にまでブラッシュアップしてしまった点に、彼らの楽曲がこれほどまでに多くの若者の心を虜にしてやまない理由があるのではないか。

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