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- 貞和
- 19/06/17 21:03:11
愛知県豊田市で生後11カ月の三つ子の次男を暴行して死亡させたとして、母親が傷害致死罪に問われた事件で、市の児童虐待事例外部検証委員会は17日、市の対応の評価と今後の対策をまとめた報告書を公表した。市側に「多胎児支援の重要性が認識されていなかった」などと指摘し、多胎家庭への支援の充実や職員の資質向上などを求めた。
1審・名古屋地裁岡崎支部判決によると、母親の松下園理被告(31)は2018年1月、泣きやまない次男を畳の上にたたきつけ、脳損傷で死亡させたとしている。被告は懲役3年6月の実刑判決を受け、控訴中。
市は昨年3月、内部検証委員会を、同6月に有識者らによる外部検証委員会を設置し、事件の検証と再発防止策の検討をしてきた。
報告書によると、市の保健師は母親との妊娠後の面談で多胎児出産の不安も聞いていたが、認識不足から妊娠期からの行政の支援が必要との判断ができていなかった。また、市の3、4カ月健診では、母親が長女の健診の問診票に「子どもの口を塞いだことがある」という項目にチェックを入れたことを把握、翌日の長男の健診でも体にあざを発見していたが、虐待を疑って予防的に介入できなかった。
外部検証委は、母親が援助を求めていたにもかかわらず継続的な支援に結びつかず、結果として事件となった、などと指摘。虐待の予防と早期発見、多胎家庭に対する支援の充実などの取り組みの強化を提言した。
外部検証委委員長の渡辺忍・日本福祉大教授は記者会見で「キーワードは多胎児支援。情報共有や連絡調整が不十分だったのが今回の反省点」とし、「職員の危機意識や状況評価力の充実などをする必要がある」と述べた。
市は既に出産前の夫婦や家族向けの多胎妊娠、育児を学ぶ教室のほか、生後3カ月までの保健師の毎月訪問や、産前産後にヘルパーを有料で派遣する制度などを始めている。市子ども家庭課の塚田知宏課長は「真摯(しんし)に受け止める。今後の対策に生かし、支援の充実を図りたい」と話した。【細川貴代】
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190617-00000073-mai-soci
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