冒頭８分間のダンスシーンが圧巻の「映画　少年たち」

　ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長（８７）が企画・構成・総合演出を務め、１９６９年の初演から続いた舞台を映像化した「映画　少年たち」（本木克英監督）が２９日に公開される。
　少年刑務所を舞台に３チームがけんかを繰り返しながらも、１人の新入りの入所をきっかけに友情を育くんでいく姿を歌とダンスで描くミュージカル・エンターテインメント。映画の撮影が初めて行われた国重要文化財の旧奈良監獄で、ジャニーズＪｒ．のユニットＳｉｘＴＯＮＥＳやＳｎｏｗ　Ｍａｎのメンバーなど東西Ｊｒ．の１００人以上が躍動している。
　１カメ、１カットで撮った冒頭約８分間のダンスシーンは圧巻。施設全体を使った長回し撮影のため、２カ月かけてスタッフが入念なシミュレーションを敢行した。本木監督は、同じく冒頭にミュージカルシーンがある米人気映画「ラ・ラ・ランド」を引き合いに「尺的には超えた」とおどけつつ、「本人たち（Ｊｒ．の出演者）は『１回やれば覚えますから』と言っていて『本当かよ』と思ったけど、１発ＯＫで口を開けて見ていました。能力がすごい高い」と舌を巻いた。
　１月３０日に東京都内で行われた試写会では、上映後にＪｒ．の６２人が出演した約２０分のロングライブを実施。映画と実演を組み合わせたパフォーマンスで観客を魅了した。
　公開初日の今月２９日から４月７日まで、東京・丸の内ピカデリーでは上映前後に約１５分の実演が披露される。
　公開を前にＳｎｏｗ　Ｍａｎの岩本照（２５）は「ジャニーさんの愛が一瞬一瞬に込められた作品。世代を超えて愛される作品になれば」と気合十分。ＳｉｘＴＯＮＥＳのジェシー（２２）は冒頭のダンスシーンを振り返り、「セットではないので演技しやすかったけれど、よくミスせずにできたなと。上半身だけ映っていて、下では着替えていたりしました」と告白。なにわ男子の西畑大吾（２２）は「目指せ、ボヘミアン・ラプソディ！」と米アカデミー賞で４冠を獲得した大人気映画の背中を追う。
　そんな彼らのたくましい姿に、ジャニー氏は「大きくなればなるほど、どんどん成長する。年代関係なく同レベルで理解してくれる」と目を細める。かねて同氏が構想を練ってきた映像と実演の融合。それを実現した同作に注目したい。

ｻﾝｹｲｽﾎﾟｰﾂ 03/08 12:04