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- 19/02/26 21:55:29
2/26(火) 21:37配信
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産経新聞
多量の飲酒を強要されたうえ、嘔(おう)吐(と)すると暴力を振るわれ、さらに酒を飲まされた-。ホストの男性が飲酒して死亡したことをめぐり、ホストクラブ経営会社に賠償を命じた26日の大阪地裁判決は、華やかなホストクラブで、同僚による凄(せい)絶(ぜつ)な飲酒の強要があったことを認定した。通信制高校に通いながらホストとして働いていた男性。男性の父親(55)は「息子の名誉を守ることができた」と話した。
判決によると、死亡した田中裕也さん=当時(21)=は通信制高校に在籍する傍ら、平成24年4月ごろから大阪市中央区心斎橋筋のホストクラブでホストとして働き始めた。指導された心構えや仕事の手順、目標などをまめにノートに書き留めていた。
業務には客との会話のほか、客の費用で一緒に飲酒することも含まれる。明るい調子ではあるが、知人に対し、勤務中に多量の飲酒をせざるを得ないことを報告していたという。
同年7月31日、店は深夜に第1部の営業を開始。田中さんは「ヘルプ」(客の指名を受けずに接待するホスト)として働いていたが、日付が変わった8月1日午前7時半ごろ、一般フロアとVIPルームとの仕切り近くの通路で、泡を吹いて倒れているのが見つかった。同僚ホストが救命措置を行ったが回復せず、救急搬送先の病院で死亡が確認された。血中アルコール濃度は、意識を失い、死亡する危険性のある1ミリリットルあたり3・6ミリグラムだったという。
訴訟では、客の一人が次のように証言した。
「田中さんは他のホストから『飲めよ』などといわれ、焼酎の水割りを飲まされ、テキーラを何度も一気飲みした。飲めないと言っても威圧的に迫られ、焼酎1本とテキーラ1本に近い量の酒を飲み、嘔吐して戻った後も、『客からもらった酒吐くなや』とさらに酒を飲まされた」
判決では、こうした証言は「中核部分に十分な信用性がある」と判断。田中さんの頭部に打撲痕があったことも合わせ、ホストクラブで暴行を伴う飲酒の強要があったと認定した。
この問題では、当時の店の責任者ら2人が業務上過失致死の疑いで大阪府警に書類送検されたが、いずれも不起訴となっている。
大阪市内で会見した田中さんの父親は「息子の頭には傷があり、殴られた痕だと思った。会社側からは一言も謝罪の言葉がない」と打ち明け、「息子と同じような事故がなくなってほしい」と訴えた。
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