- ニュース全般
- こぎつね
- 18/11/19 23:57:53
数多くの個体が役割分担しながら集団生活を送るアリの世界。互いに協力しあって仲良く暮らしているイメージが強いが、実際は相互に監視しあい、役割に反する行動を取った裏切り者を厳しく罰する監視社会なのだという。
アリの社会における「取り締まり」は、個体数が少ない未成熟な集団ほど厳しいことが、関西学院大などの研究で分かってきた。集団が小さいほど、勝手な行動が全体に与える影響が大きくなるためらしい。
(中略)
ところが、こうした役割分担にもかかわらず産卵してしまう働きアリもいる。働きアリ同士は互いに行動を監視していて、こうしたおきて破りの裏切り者を見つけると、集団で襲いかかって産卵を妨害したり、卵を奪って食べ破壊したりしてしまうという。
(中略)
産卵の阻止や卵の破壊などの行動は、集団の大きさで差が出ることが分かった。働きアリの数が100匹未満で比較的若い集団の場合、ほとんどの卵が壊されたが、200匹以上いる成熟した集団では、壊されたのは約20%にとどまった。
集団の規模で変化
初期段階の集団では、働きアリを増やすことによって女王アリが産む幼虫を育てる能力を充実させたり、餌の供給力を向上させたりすることが一番大切だ。働きアリが産卵してしまうと、そこから生まれる幼虫を育てることに労力を奪われ、餌を捕る力が低下する。また、働きアリが産む雄は女王アリと交尾して幼虫を増やすことはできるが、餌を捕るなどの労働力にはならないため、この段階の集団には不利益な存在になるとみられる。
一方、数が増えて成熟した集団は、世代交代して次世代の集団を築くことが視野に入ってくる。そのため次世代の女王アリと交尾して子孫を増やすための雄が必要になってくるらしい。集団の利益は、集団の規模によって変化することが背景にある。
これらの結果から研究チームは、働きアリは自分が属する集団の大きさをきちんと把握しているとみられ、産卵の相互監視行動は初期段階の集団ほど強化されると結論づけた。
https://www.sankei.com/smp/premium/news/180428/prm1804280012-s1.html
- 0 いいね