らしんばん
エキスポの事故は車軸が金属疲労で折れ、ジェットコースターの2両目が1両目に乗り上げる形で脱線した。その後、園側が超音波などで亀裂を調べる「探傷試験」を先送りしたことが判明。さらに、吹田市へは「異常なし」と虚偽報告していた実態も明らかになった。
ただ、こうした対策の甘さは他の遊園地などでも指摘された。
定期検査を全国のコースター24%が行わず
そもそも、アトラクションについて定期検査や報告のガイドラインはあっても探傷試験の内容や回数など明確な定めはなく、エキスポ事故直後に国が行った調査では全国のコースターの24%が一度も行っていなかった。
こうした現状を踏まえて国土交通省の社会資本整備審議会が平成20年2月に安全対策を公表した。建築基準法の改正などが行われ、検査内容を明確化し年1度の報告▽検査員資格者の定期講習▽事故や不具合の報告-などを義務づけ、自治体側にも指導点検計画を立てさせた。
また、22年からは、人身事故に至らなくても重大事案は同審議会の昇降機等事故調査部会の委員が現地調査をするなどして原因を究明し調査報告書を公開。国に改善意見を出して再発防止策を確実に立てる仕組みを構築したことで、安全装置の多重化や運行・点検基準の詳細化が進められた。
だが、その後も重大事故は後を絶たない。
23年1月、「東京ドームシティアトラクションズ」のコースターから男性が振り落とされて転落死するなど国が調査報告書をまとめたコースター事故はエキスポ後、14件に上る。
東京ドームの事故では乗客を固定するバーのロックが目視のみの上にアルバイト任せで安全教育が不十分だったことが判明するなど安全意識の緩みが原因のものが目立つ。
エキスポ事故などを教訓に大型連休前に毎年、東京と大阪で遊戯施設の運行管理者を対象に安全講習会を開く一般財団法人「日本建築設備・昇降機センター」の担当者は「慣れや緩みを排し心構えを持ち続けなければいけない」と話している。
元昇降機等事故調査部会長の向殿(むかいどの)政男・明治大名誉教授の話「エキスポ事故は管理と安全意識の甘さが最悪の形で出たもので、これを契機に多くの規制が強化された。スリルを味わわせるコースターは基本的に危険性を伴うが、その自覚が少ない経営側がまだまだおり、事故は減っていない。本来は安全装置や構造を更新していくべきだが老朽化も避けられず、保守や運行時の安全意識を慢心せずに保つことがいっそう重要になる」
エキスポジェットコースター事故
平成19年5月5日昼、走行中の立ち乗り型コースター「風神雷神II」の2両目が1両目に乗り上げるように脱線し、女性客1人が死亡、19人が重軽傷を負った。大阪地裁は21年9月、業務上過失致死傷などの罪に問われた元取締役と元部長に執行猶予付き禁錮2年と罰金40万円とするなどの判決を出した。エキスポは事故後、客足が減少し、21年2月に閉園した。
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