- なんでも
- はくちょう
- 18/10/04 20:10:20
2018.10.2
DIAMOND ONLINE
■貴乃花親方ついに引退
■「圧力」有無の解明は今後に
先週、誰もが驚いたのが、貴乃花親方(46)の突然の引退会見だ。
昨年10月、弟子の貴ノ岩が日馬富士に暴行を受けたことを告発し大騒動になって以来、貴乃花親方は日本相撲協会幹部から反乱分子と見なされるようになった。その後、弟子の暴行事件があって貴乃花親方も一旦は矛を収めたが、会見での証言によれば、協会の方針に従わせるさまざまな圧力があったという。5つある一門のどこかに所属しなければ部屋は存続できないという規則ができ、一門に入る条件として、告発状は事実無根だと認めろとの要請があったそうだ。
弟子の暴行事件で告発状を取り下げた後、協会での役職は理事から5階級降格して年寄になった。親方自身も「一兵卒としてやり直す」と語っていたが、告発の内容にまで踏み込まれることは許せず、部屋の存続を断念。引退して大相撲と縁を切ることを決断したようだ。貴乃花部屋に所属する力士は千賀ノ浦部屋に移籍させる考えを示した。
これを受けた日本相撲協会は10月1日に臨時理事会を開き、貴乃花親方の退職と所属力士の移籍を承認した。だが、貴乃花親方が引退の決断をするきっかけになった圧力については否定している。
■一時代を築いた功労者
■大相撲改革者としての横顔も
今後はこの「圧力」があったかどうかや角界の体質とともに検証されていくだろうが、貴乃花親方をそんなにあっさり辞めさせていいのだろうか。今は反乱分子かもしれないが、現役時代は一時代を築いた名横綱だ。2001年の5月場所で右ヒザ半月板を損傷する大ケガを負いながら横綱武蔵丸との優勝決定戦に勝った一番など数々の記憶に残る名勝負を見せ、人々を感動させた。また、功績顕著ということで一代年寄になった横綱は大鵬、北の湖、千代の富士、貴乃花の4人しかいない(千代の富士は辞退)。そんな功労者に対して、この対応は納得できない。
親方としても大相撲には必要な存在だ。審判として姿を見せると、場内には力士以上の歓声が上がる。今でもオーラがあり、人気抜群なのだ。そして現役時代の相撲を見て、あるいは相撲を真摯に追究する姿勢に憧れて、力士を志す少年もいる。そんなスター性や求心力を持つ人物が大相撲からいなくなるのは、あまりにも惜しい。
また、貴乃花親方は大相撲の将来を考えた改革者でもあった。タニマチという古い形の後援者に支えられるのではなく、Jリーグに見られるようなサポーター制、ファンクラブ制を模索。キッズクラブという少年を相撲に親しませる組織も作った。弟子の小結貴景勝はこのキッズクラブ出身だ。大相撲の伝統を重んじる親方衆には、こうした貴乃花親方の新たな取り組みや改革志向が癇に障るのだろうが、大相撲人気を継続させるためにも、貴乃花親方のような人材は欠かせないはずだ。
NEXT >>1 ■力士として一人前の「関取」は47すべての部屋にいるわけではない
- 0 いいね