• No.3 ちょうこくしつ

    18/08/21 12:29:30

    つづき

    駐車トラブルじゃない

     その言葉が実現してしまったということか――。では、現在の湊はどんな男になっていたのか。自宅周辺の住民からの評判はすこぶる悪い。

    「あのアパートに越してきたのは2カ月ほど前ですよ。少し前に大家が変わってね、以前は6万5千円くらいの家賃で半分くらいしか入居していなかったんだけど、家賃を3万9千円なんかにしたものだから変な連中が入るようになったんだ。あの人は、最初はテキ屋かと思ったけどね。屋台に被せる“たこ焼き”とか“大判焼き”みたいな幕があるでしょ。あれが3~4枚ほど干されたりしていたからね。だけど、働かずに家にこもりっきり。たまに出てくると、大声上げて階段を降りてきたりしてた。周囲を警戒しているようにも見えたね。いつか何か起こすんじゃないかと思っていたけど……また帰ってくるのかねえ」(近隣住民)

    「身長は160センチちょっとかな。小柄だけどガッシリしてる。坊主頭で、いつも短パンにダブダブでボーダーのTシャツだったね。突然話しかけてくることがあるんだけど、なぜかトランプ政権の話だったり、やけに社会派なことを言いたがるんだよ。だけど、働きもせずに何をやっているか分からないような奴に、そんな話を振られてもね……相手にしないようにしていた。だって、人が車の外からドアを半開きにして中のものを探しているときに、いきなりドアをバーンと閉めようとするんだ。ドアに挟まっちゃうじゃない。そんなところも見たしね。そうそう、それが下の階に住んでいる人で、事件のあった朝、ちょっと揉めていたみたいだよ」(別の近隣住民)

     実際、階下の住民に聞いてみると、

    「ああ、そうなんですよ。夜中の3時でもお構いなく、2階の床をドンドンドンドン踏み鳴らしたり、大声上げたりするんで、うるさくてしょうがない。天井に付いている照明がグラグラしちゃってるの分かります? それで19日の朝も、うるさいから話し合おうと2階に上がってベルを押したんだけど、出てこない。僕が下に降りて部屋に入ると、またドンドンドンドン。その繰り返し……。しばらくすると外に出て行くのが分かったから、追いかけて行って、なんであんなことをするのか問い詰めたんですよ。でも、話をそらして、違う話をしてくる。『何か聞こえるの?』とか言ったりね。頭がおかしいんじゃないかと思ったけど、なんとか止めてもらえるようになったんですよ。そしたら夕方には、あの事件でしょ。ビックリしましたよ、下手をしたら刺されたかもと思うと、今になって恐くてね」

     事件の原因は駐車トラブルと発表されているが、目撃者たちの証言は異なる。

    「駐車場に軽トラックが入ってきたんですけど、湊は仁王立ちして立ち塞がっていたんですよ。駐車トラブル? そんなんじゃないよ、因縁付けてたんだから。それで軽トラックの運転手が窓を開けたら、いきなり棒で殴ったんだよ」

    「いつ刺したのかは分からなかったけど、軽トラには助手席にも人がいてね。その人があの男をぶん殴っていました。それを止めようとしていたのが刺された人です。刺された人は弱っている感じではなかったけど、長袖Tシャツの背中は血に染まっていたね……」

     湊立ち会いの下で行われた現場検証を見ていた人は、次のように話す。

    「なんだか、まったく悪びれる風もなく『ここら辺でやられたかな、こっちもやったけどさ』なんて言ってましたよ」

     29年前の事件から更生したとはとても言い難い。

    週刊新潮WEB取材班

    2018年8月21日 掲載

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