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- 18/07/20 17:41:55
西日本豪雨の被災地では、2週間が経過した20日も、行方不明者の捜索活動が続く。219人(20日正午現在)が亡くなる大災害の中、周囲のとっさの救いの手によって命をつなぎとめた人たちもいる。
岡山県倉敷市真備(まび)町の大規模浸水では7日、妊娠8か月の女性(30)が濁流に流され、松の木につかまっていたところを、住民がロープ代わりにつなぎ合わせたカーテンで、約10時間後に救助された。
兄の山崎辰弥さん(35)(倉敷市玉島)によると、女性は出産のため、同じ市内の自宅から、両親が住む実家に里帰りしていた。
当時、2階建ての実家は1階が水没。女性はパドル(櫂(かい))付きの板で救助されたが、移動中に転落したとみられる。その後、女性から父親の携帯に「どこにいるかわからない」という連絡が入ったが、ほどなくつながらなくなったという。
午前6時過ぎ、父親から連絡を受けた山崎さんは車で駆け付け、テレビの空撮映像を手がかりに、濁流の中で木につかまっている妹を見つけた。警察官らに救助を求めたが、流れが急で現場には向かえなかった。
午後4時頃、真備町有井の新納(しんのう)昭雄さん(76)は、隣人から「女性が木につかまっている」と聞いて驚いた。当時の水位は2階の床下ギリギリ。窓からのぞき込むと、胸まで水につかった女性が庭の松の木の枝につかまっていた。
「助けないけん」。新納さんは家にあったカーテンを5枚外し、つなぎ合わせて即席のロープを作った。長さは約5メートル。3~4回投げると、女性の頭に当たり、女性は両手でしっかりとカーテンを握った。
1階の屋根に出た新納さんは妻に体を支えてもらいながら、カーテンを無我夢中で引っ張り、女性を助け上げた。震えながら頭を下げる女性。おなかの膨らみに気付いた妻が「赤ちゃんがいるの?」と聞くと女性は「妊娠8か月なんです」と答えた。
山崎さんは夜になって、市内の病院で妹と再会した。ぐったりした様子だったが、「(新納さんに)良くしてもらった」と話していたという。現在も入院中だが、赤ちゃんも無事で9月には出産予定という。
土手から救出劇を見守った山崎さんは「妹がいつ流されるかと、生きた心地がしなかった。助かったのは皆さんのおかげ」と振り返る。新納さんは「本当に助かってよかった」と語り、元気な赤ちゃんを連れた女性との再会を心待ちにしている。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6290591
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