【天下りあっせん】前文部科学事務次官・前川喜平が「道徳」教科化に警鐘

  • ニュース全般
  • ワニ
  • 18/03/15 22:14:04

前文部科学事務次官・前川喜平が「道徳」教科化に警鐘──「国体思想的な考え方は子供たちを“分断”させかねない」

2018年02月15日 11時00分 週プレNEWS

「加計学園問題」で一躍、時の人となり、昨年11月に『これからの日本、これからの教育』(ちくま新書)を上梓した前文部科学事務次官の前川喜平氏にロングインタビュー!

前編記事(「教育無償化」が単なるバラ撒きにならないために必要なこと)に続き、後編では教育に持ち込まれている「国家主義」「新自由主義」の弊害、そして今年から教科化される「道徳」教育の危惧すべき中身を語る──。

***

─教育無償化など、教育行政の問題が議論になるたびに考えさせられるのは、国や自治体が支える「公教育」はそもそも誰のために、何のためにあるのか…という素朴な疑問です。長年、文科省で教育行政に携わってきた前川さんはどうお考えですか?

前川 基本的に教育はそれを必要とするひとりひとりの「個人」のためにあると私は考えています。そして教育はカネやモノではなく「人間の心」を扱う。その本質は「現場」にしかないし、それを実践している主体は学校の先生たちです。

しかし、文科省の官僚や政治家の中には「教育はこうあるべきだ」と考えて、それを現場にやらせるのが自分の仕事だと勘違いしている人も多い。今は特に、それなりの権力や影響力を持った政治家が教育の中身に介入して、ある意味「国家主義的」な観念を植え付けようという動きが強まっている。これは非常に警戒すべきことです。


―特にここ数年、前川さんが指摘された「国家主義的」な、例えば子供たちに「愛国心」を強要するような教育や、経済の世界と同じように教育にも「自由な競争」「民営化」を進めるべきという「新自由主義的」な考え方を持ち込もうという動きも強いように感じます。

前川 ただ、それは最近に始まった話ではなく、おそらく中曽根内閣の頃からそうした国家主義的な方向性と新自由主義的な方向性が大きくなってきていると思います。それが小泉内閣、安倍内閣と時代を経るに従って、あからさまになってきたということでしょう。

新自由主義的な部分でいうと、最近は自民党よりも、むしろ維新のほうが強いかもしれませんね。つまり「教育も経済と同じように市場原理に任せればいい。競争原理に任せれば、結果的にいい教育が残るはずだ…」という単純な信念を教育に持ち込んでしまうという。


―それって、例えば全国統一テストの点を公開して、学校間、地域間で競わせれば、お互いが切磋琢磨して結果的に教育レベルが上がる…みたいな発想ですよね。

前川 しかし、教育は「人間」を相手にするものですから、商品のように単純な尺度では測れない。市場で買われる教育が「いい教育」だということになれば、例えば「中学受験に強い小学校」というニーズに合わせて、国語・算数・理科・社会だけに集中して、体育や音楽の授業はやらないほうがいいということになってしまいます。

そういったビジネス的な学校経営という発想から生まれたものに「勉強しなくても卒業できる高校」というものがあります。授業料を納めれば高校卒業資格をもらえるわけですから、これはニーズが大きい。そこでは低コストで、もはや教育とは呼べないくらいの極めて質の低い高校教育が行なわれています。

next >>1 「みんなでよい校風を作りましょう」。そうなれば「この校風に合わない人間はいらない」という事になりかねない。

  • 0 いいね

利用ルール・禁止事項をご確認ください
誹謗中傷、個人情報、プライバシーを侵害する投稿は禁止しています。
また誹謗中傷においては、法改正により投稿者の情報開示について簡易な裁判手続きが導入されております。

古トピの為これ以上コメントできません

ママ達の声投稿されたコメントを掲載しています

画像表示ON・OFF

    コメントがありません

※コメント欄のパトロールでYahoo!ニュースのAIを使用しています

新しいトークテーマを作ろう

子育てや家事、旦那に関する悩み相談、
TV、芸能人に関する雑談など何でもOK!

トピックランキング

もっと見る

コミュニティカテゴリ