【天下りあっせん】前文部科学事務次官・前川喜平が「道徳」教科化に警鐘

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    • ワニ
      18/03/15 22:14:33

    続き

    ―高校卒業証書販売ビジネスですね。

    前川 「株式会社立学校」は小泉政権の時、「構造改革特区」で導入されたのですが、その弊害が明らかに表れています。

    その最たる例が一時期、メディアでも話題になった三重県のウィッツ青山学園でした。ここは通信制高校ですから、規定された日数のスクーリング(教室で教員と直接対面して行なう授業)が必要なのですが、ユニバーサル・スタジオへの旅行でスクーリングをしたことにしたり、学習の実態がない「幽霊生徒」を名前だけ入学させて県からの就学支援金を騙し取ったり…と本当にひどいもので、2016年度限りで廃校しました。


    ―その根底には、現在の加計学園問題に繋がる「規制緩和至上主義」がありますね。

    前川 そうです。やはり市場経済はしっかりとしたパブリックな市民社会という土台の上でコントロールされるべきだと思います。その土台を取り除いて、全てを市場原理に委ねてしまうと人間の世の中が弱肉強食のジャングルになってしまう。

    株式会社立学校で言えば、そもそも株主の利益を最大化するのが株式会社なんですから、最悪の場合、株主のために教育の現場があるということになってしまいますよね。大阪市長時代の橋下徹さんにやんや言われて、「公設民営」という、公立学校を民間に運営させる制度を構造改革特区で導入したのですが、この制度にも同じような危険性があります。


    ―規制緩和という言葉には官僚の既得権益を打破するというポジティブなイメージもありますが、市場の自由競争に委ねていいものと、教育や医療など社会で守るべき「パブリックなもの」は分けないといけませんね。新自由主義のほか、「国家主義的」な観念が教育に持ち込まれていると先ほど仰いました。小学校では今年から、中学校では来年から、いよいよ「道徳の教科化」が始まります。

    前川 道徳の教科書や学習指導要領を読んでみると、とにかく「集団に帰属する」ことが強調されています。例えば、「みんなでよい校風を作りましょう」とかね。でも、私に言わせれば校風なんてものはいらないんですよ。そんなものは作ろうとするものではなく勝手に出来上がるものです。「よい校風を作りましょう」となれば、極端な話、「この校風に合わない人間はいらない」みたいなことになりかねない。

    道徳の教科書には集団のルールを守ること、日本という集団に帰属するアイデンティティが強調されていて、これは言ってしまえば「日本らしさ」や「日本の国柄」を強調する人たちの根底にある「国体思想」と変わりありません。


    Next >>2 「日本にルーツを持たない子供たち」にとっては深刻な問題

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