相撲の「注射」はどのように機能しているのか?【互助システム】

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  • 17/12/02 14:39:17

相撲の「注射システム」はどのように機能しているのか?

https://news.yahoo.co.jp/byline/yamadajun/20171201-00078810/

山田順 | 作家、ジャーナリスト、出版プロデューサー

12/1(金) 20:28

 毎日、毎日、日馬富士暴行事件のテレビでの大報道が続いている。そして毎回、お決まりの「1日も早い解決が待たれます」で番組が幕を閉じるから、いつまでたっても終わらない。

 はっきり言って、この問題は解決できない。なぜなら、そのためには相撲が「注射」(これをマスコミは八百長と呼んでいるがそうではない)と「ガチンコ」で成り立っていることを認め、それを前提としてどうするかを真剣に話し合わなければならないからだ。

 しかし、これまで相撲協会は「注射」を「無気力相撲」などと言い換え、ないものとしてきた。したがって、今回の事件の背景に“モンゴル互助会”があったことも認めるわけにはいかないのだ。

 もし認めてしまえば、それ以前に、日本人同士で行われてきた“互助会相撲”も含め、すべての記録(たとえば大鵬の32回の優勝、千代の富士の53連勝、朝青龍の35連勝、白鵬の63連勝と優勝40回など)を破棄しなければならなくなるからだ。

 それにしても、今回の事件に関していろいろな方がいろいろなことを言っている。それを見ていると、相撲のことを知っている方と知らない方では、コメントがまったく違うことに、改めて驚く。また、国技だというのに、ほとんどの日本人が相撲について知らないことにも驚く。2011年に八百長問題が発覚し、いま以上の大報道が繰り広げられ、春場所が中止になったというのに、コロッと忘れてしまっている。

 
 そこで、本稿では、「注射システム」とはなにか?そのメカニズムについて述べてみたい。私はスポーツジャーナリストではない。経済や国際問題を中心に記事や本を書いている。そうした視点から見ると、「注射システム」はじつによくできたシステムで、市場原理に基づいている
 

 まず大前提として、注射は相撲にとって必要なものだと言っておきたい。なぜなら、すべての取り組みを「ガチンコ」にしてしまえば、15日間の興行は成り立たなくなるからだ。毎日、毎日、巨体の力士同士が本気で激突していけば、それこそ故障者、負傷者が続出する。千秋楽までに、半分の力士がいなくなってしまう可能性がある。

 だから、力士たちのなかに、自分の体と地位を守るために、注射をする力士が出てくるのは当然だ。もちろん、注射には「カネ」が付き物だから、そうとだけとは言い切れない。ただ、生身の人間が激突するのが相撲だということを、1度よく考えてほしい。

 注射には、星の「売買」(買い取り)と「貸し借り」の2つの方法がある。売買のほうは、常に好成績を求められる横綱・大関などが地位を守るために使う方法だ。文字通り、転んでくれる相手からカネで星を買う。そうして、地位を守り、威厳を保つ。

 しかし、ガチンコ力士は星を売らないから、そういう対戦では星を落とすことが多くなる。千代の富士も白鵬も連勝記録を封じられたのは、ガチンコ対決であった。

 注射のもう一つ、星の貸し借りは、三役以下の平幕力士同士が勝ち越すためや、十両に落ちないようにするための手段として多用する方法だ。十両力士も、幕下陥落が怖いのでこれをやっている。陥落したら、給金が違うので、ここ一番の注射は経済原理に基づいている。

 もちろん、この星の貸し借りにもカネが絡む。


>>1に続く

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