• No.509 鈴虫

    17/09/25 16:41:42

     神奈川県大磯町の中学校で味のまずさや異物混入などの不信感から、給食の食べ残しが問題になっている。一方で、対策に力を入れ、食べ残しが減少した小学校もある。

     東京・目黒区立五本木小学校の2年生の教室。取材した日の給食の献立は、「めひかりの磯辺揚げ」や「糸こんにゃくサラダ」「じゃが芋と小松菜のみそ汁」「のりのつくだ煮と麦ごはん」などの和食。子どもたちが苦手そうな食材が多いが―

     栄養教諭・松本さん「小魚のめひかり分かった?これが本物。めひかりって名前は、光当たると目が光っているように見えるんだって」

     食べ残しを減らす工夫のひとつが「食材を知る」。この学校では毎日、栄養教諭がその日の献立の食材を持って説明をしている。“知ること”で、興味を持ち、食べられるようになるという。実際に、この日、先生や友だちに励まされながら、初めて魚とみそ汁を完食できた子どもいた。

     環境省によると、実は給食の食べ残しは、年間1人当たり7キロ以上にもなるという。食材が無駄になるだけでなく、バランスを計算された給食を残すことで、育ち盛りの子どもたちの栄養不足にもつながる。

     数年前までは、この学校でも、食べ残しの割合が多く10%を超えることも多くあったそうだが、今は約4.2%まで減少したという。しかし、苦労するというのが、子どもは家庭で食べ慣れないものは“苦手”になり、給食に出ると残してしまうこと。

     そこでもうひとつ、工夫したのが“階段方式”による苦手の克服。階段方式とは、苦手なものの大きさや味を変えて出すことで、徐々に慣れていく方法だ。

     あるすまし汁に入っているのは、冬瓜(とうがん)。最初は、分からないように薄切りにして出し、次は、甘く煮て、大きく量も増やしてフルーツポンチに入れる。そして、最後は冬瓜だと分かる煮物として出しても残さず食べてくれたという。

     栄養教諭・松本さん「子どもたちが食べたいというものを出すことは簡単です。残食率だけを考えるのではなくて、苦手な物にもで出合いながら、それでも食べられるようになることが、数年後には子どもたちが食べ残さない、何でも食べられるようになる」

     また、五本木小学校ではその他にも給食の献立についての手紙やクイズを付けたり、栄養教諭が、野菜の生産者の畑を訪ねて学んだことを、子どもたちに話したりもしているという。

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