- TV・エンタメ
- 一銭洋食
- 17/05/24 11:53:24
スタート当初から、「ヒロインの美都(波瑠)がクズすぎる」という批判の声が上がり、夫・涼太(東出昌大)の怪演ばかりが話題になるなど、逆風が続く『あなたのことはそれほど』
相次ぐ厳しい声を受けた波瑠が「観てくださったことに感謝するだけ」とブログにつづるなど、苦悩の様子が伝わってくる。
同じ不倫がテーマのドラマでも、2014年に放送されて高視聴率と各賞を獲得したほか、6月10日から映画公開もされる『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系、以下『昼顔』)とは何が違うのだろうか。
●『あなた~』と『昼顔』で違う、罪悪感の描き方
その理由は、「波瑠より上戸彩のほうがいい」というキャストの問題ではなく、ストーリーによるところが大きい。 まず『昼顔』は、「夫への不満を抱えながらパート勤めをする」地味な30代の女性がヒロインだった。
一方、『あなた~』のヒロインは、「夫への不満はなく、医療事務の仕事をこなす」若くておしゃれな女性。この時点で、共感度にグッと差がついている。
そんなキャラクター設定の違いは、不倫のムードにも影響を及ぼす。
『昼顔』がファンタジーとしての不倫を描いているのに対して、『あなた~』はリアルな不倫を描いているため、感情移入を促すドラマ性が下がり、淡々と見るドキュメンタリーのようになってしまうのだ。
そもそも『昼顔』は、世の主婦たちに「不満を抱える日々のなか、もし平日の午後に素敵な男性と不倫したら……」という妄想を抱かせるコンセプトだった。
しかし、『あなた~』は自分に置き変えて妄想を抱く主婦は少なく、「実際の不倫はこれくらいゲスなもの」というのぞき見感覚で楽しむことしかできない。
また、罪悪感の描き方も大きく異なる。
「罪悪感のある不倫はファンタジーであり罪悪感がない不倫こそリアル(不倫する人はそれほど罪悪感を持たない)」
という真逆の捉え方をしているのだ。大多数の不倫しない人々が、どちらのドラマを支持するかは自ずとわかるだろう。
ビジネスジャーナル
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