アメリカ海軍の空母打撃群、朝鮮半島に向けて航行 北朝鮮を牽制か

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    • ささみ
      17/04/12 08:28:51

    米空母派遣、狙いは北朝鮮けん制だけにあらず

    2017/4/11 15:58


     米海軍が8日、南シナ海に展開していた原子力空母カール・ビンソンやその護衛にあたる巡洋艦などからなる空母打撃群(Carrier Strike Group、CSG)を急きょ予定を変えて朝鮮半島周辺に派遣すると発表した。核兵器や弾道ミサイルで挑発を続ける北朝鮮への圧力を強めるのが目的と受け止められているが、今回の決定をめぐっては、誤解されていることや知られていない側面もある。米空母派遣の「真の狙い」を考えてみる。

    ■現状の目的は「穴埋め」

     米空母打撃群は通常、西太平洋地域には最低1群は展開している。朝鮮半島や台湾海峡などで不測の事態が起きることを防ぐためだ。東太平洋を管轄する米海軍第3艦隊に所属するカール・ビンソンが現在南シナ海にいるのは、横須賀を母港とする第7艦隊所属の原子力空母ロナルド・レーガンが毎年1月から4月にかけて点検・整備のため活動を停止するので、その「穴埋め」として展開しているのである。この時期、米空軍のステルス戦闘機F22が沖縄の嘉手納基地に飛来することがあるのも、西太平洋地域に力の空白が生まれるのを防ぐためだ。

     カール・ビンソン打撃群が8日ごろシンガポール沖合を出たとすると、原子力空母の航行速度から考えれば、早ければ今週末にも韓国沖合に到達するとみられる。空母艦載機の対地攻撃能力や、随伴する巡洋艦の巡航ミサイル発射能力などから、同打撃群の振り向けは「朝鮮半島の緊迫度を一段と高める」とも解釈されている。たた既に述べたように、米海軍のCSGは常時1群、西太平洋地域に展開しているので、今回の米海軍の決定は「増派」を意味するわけではない。


    ■焦点は今後2~3カ月後

     今後の焦点の一つは、おそらく5月上旬に横須賀にいる空母ロナルド・レーガンが整備を終えて作戦行動をとれるようになった時、カール・ビンソン打撃群がなおも朝鮮半島周辺にとどまるかどうかだ。

     空母が2隻展開していれば、仮に1隻の空母の甲板で火災などが起きて使用不能になっても、爆撃を終えて戻ってきた艦載機はもう1隻の空母に降りることができる。つまり、米艦隊全体としては、より安全な状態で作戦を遂行できることになる。1996年の台湾海峡危機の際も、米海軍は空母を2隻体制にすることで「本気の軍事行動」をとれる構えを示し、台湾侵攻の隙をうかがっていた中国軍を抑止した。

     1991年の湾岸戦争の際、米軍はペルシャ湾や東地中海などに空母打撃群をピーク時で5群程度も展開し、イラクを爆撃した。これに対し現在、北朝鮮と対峙している米軍は、嘉手納や岩国など在日米軍基地、さらに在韓米空軍基地など地上にある航空基地を使える。どのような規模の作戦をするかにもよるが、仮に北朝鮮の核・ミサイル関連施設をピンポイントでつぶす限定作戦であれば、湾岸戦争のときのようにたくさんの空母打撃群を沖合にそろえる必要はなく、2~3群もあれば十分だろう。

     米空母打撃群の作戦行動期間は通常は半年強で、カール・ビンソンは今年初めに米西海岸を出発していることを考えると、今後2~3か月程度はとどまれそうだ。仮にそうなると、打撃群2つがいることになり、その時点で「増派」が確定する。朝鮮半島をめぐる「本当の緊張」はその時に始まる。


    続く

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