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<小声>使ってる人多い?TEMUやSHEIN
17/03/26 14:48:42
(4)鎖国は江戸幕府の政策ではなかった ここから先は、現在の教科書の話ではなく、今回新しい教科書に盛り込まれる一歩手前で撤回された話について解説しよう。 江戸幕府が行った政策として常識のように語られてきた鎖国だが、学問の世界では様々な点で疑問が投げかけられてきたという。そもそも実際の政策として、幕府が意図的に鎖国をしてきたという証拠はないらしいのだ。むしろ長崎を拠点としたオランダや中国との貿易以外に、松前藩はロシアと、薩摩藩は琉球国を通じて南方と貿易を行ってきた。この時代の貿易体制としては、日本は結構広い世界と開かれた貿易を行っていたのだ。外交においても秀吉の侵略で断交された朝鮮とは、江戸時代に再び国交が開かれ、朝鮮通信使が再開されている。 そもそもこの時代、世界でも自由貿易は常識的ではなかった。イギリスもアジアとの貿易は東インド会社が独占していたわけだから、オランダ貿易を長崎が独占していたことを鎖国というのであれば、イギリスだってアジアに対しては鎖国じゃないかという論理も成り立たないわけではない。 とはいえ教育現場の意見としては、「鎖国」をなかったことにした場合、幕末の歴史として「開国」を教えると中学生が混乱する、というもっともな意見が通り、今回の教科書の新学習指導要領に「鎖国」は残されることに決まったようだ。 (5)「聖徳太子」ではなく「厩戸王(うまやどのおう)」である 今回一番議論を呼んだのは、我々が慣れ親しんだ聖徳太子の呼称を「厩戸王」に変更して教えようという部分である。 根拠としては、聖徳太子という呼び名は彼の死後に与えられた呼称だからというものだ。「うーん、それは正しいのだけれど、でも……」という純粋な疑問を私は感じてしまう。「それを言い出したらおしまいよ」という感じがするのだ。 なぜなら歴代の天皇の呼称は、死後に与えられた呼称なのだ。聖徳太子の呼称を変更して、生前呼ばれていた名前で呼ぼうというルールを定着させてしまうと、論理的には歴代天皇もすべて「大王(おおきみ)」などの呼称で呼ばなければならなくなる。まあそうなれば、歴史の試験で書く場合に「大王」でも「天皇」でも全部正解になるという意味では便利な教え方かもしれないが、あまり現実的な教え方ではないのではないかと、私は思ってしまうのだ。 ◆教科書の改定を分析すると世の中の仕組みがわかる さて、クイズ番組で正解を答えるという観点からは、教科書の改定に対してやや批判的に読める記事を書いてしまったが、「生きていく知恵」という観点から見れば、おじさんになってから昔の教科書と今の教科書がどう違うのかを比較してみることは、結構意義のある作業だということも付け加えておこう。 理由は、世の中の仕組みがわかるからだ。たとえば大化の改新や鎌倉幕府の例からは、「先に実質的な権力が生まれて、後から制度や肩書きがついてくる」という世の中の原則を読み取ることができる。鎖国の例からも「建前と本当の仕組みはかなり違う」という学びが得られる。 このように考えれば、「せっかく勉強して得た知識が変更になっておじゃんになった」と嘆くよりは、「なぜ変わったのかを調べることで、生きていく上で役立つ何かがそこで発見できる」と考え、変更箇所を探して楽しむほうが、実利のある姿勢なのではないかと、私も改めて感じたのである。 (百年コンサルティング代表 鈴木貴博) http://diamond.jp/articles/-/122340
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17/03/26 14:48:42
(4)鎖国は江戸幕府の政策ではなかった
ここから先は、現在の教科書の話ではなく、今回新しい教科書に盛り込まれる一歩手前で撤回された話について解説しよう。
江戸幕府が行った政策として常識のように語られてきた鎖国だが、学問の世界では様々な点で疑問が投げかけられてきたという。そもそも実際の政策として、幕府が意図的に鎖国をしてきたという証拠はないらしいのだ。むしろ長崎を拠点としたオランダや中国との貿易以外に、松前藩はロシアと、薩摩藩は琉球国を通じて南方と貿易を行ってきた。この時代の貿易体制としては、日本は結構広い世界と開かれた貿易を行っていたのだ。外交においても秀吉の侵略で断交された朝鮮とは、江戸時代に再び国交が開かれ、朝鮮通信使が再開されている。
そもそもこの時代、世界でも自由貿易は常識的ではなかった。イギリスもアジアとの貿易は東インド会社が独占していたわけだから、オランダ貿易を長崎が独占していたことを鎖国というのであれば、イギリスだってアジアに対しては鎖国じゃないかという論理も成り立たないわけではない。
とはいえ教育現場の意見としては、「鎖国」をなかったことにした場合、幕末の歴史として「開国」を教えると中学生が混乱する、というもっともな意見が通り、今回の教科書の新学習指導要領に「鎖国」は残されることに決まったようだ。
(5)「聖徳太子」ではなく「厩戸王(うまやどのおう)」である
今回一番議論を呼んだのは、我々が慣れ親しんだ聖徳太子の呼称を「厩戸王」に変更して教えようという部分である。
根拠としては、聖徳太子という呼び名は彼の死後に与えられた呼称だからというものだ。「うーん、それは正しいのだけれど、でも……」という純粋な疑問を私は感じてしまう。「それを言い出したらおしまいよ」という感じがするのだ。
なぜなら歴代の天皇の呼称は、死後に与えられた呼称なのだ。聖徳太子の呼称を変更して、生前呼ばれていた名前で呼ぼうというルールを定着させてしまうと、論理的には歴代天皇もすべて「大王(おおきみ)」などの呼称で呼ばなければならなくなる。まあそうなれば、歴史の試験で書く場合に「大王」でも「天皇」でも全部正解になるという意味では便利な教え方かもしれないが、あまり現実的な教え方ではないのではないかと、私は思ってしまうのだ。
◆教科書の改定を分析すると世の中の仕組みがわかる
さて、クイズ番組で正解を答えるという観点からは、教科書の改定に対してやや批判的に読める記事を書いてしまったが、「生きていく知恵」という観点から見れば、おじさんになってから昔の教科書と今の教科書がどう違うのかを比較してみることは、結構意義のある作業だということも付け加えておこう。
理由は、世の中の仕組みがわかるからだ。たとえば大化の改新や鎌倉幕府の例からは、「先に実質的な権力が生まれて、後から制度や肩書きがついてくる」という世の中の原則を読み取ることができる。鎖国の例からも「建前と本当の仕組みはかなり違う」という学びが得られる。
このように考えれば、「せっかく勉強して得た知識が変更になっておじゃんになった」と嘆くよりは、「なぜ変わったのかを調べることで、生きていく上で役立つ何かがそこで発見できる」と考え、変更箇所を探して楽しむほうが、実利のある姿勢なのではないかと、私も改めて感じたのである。
(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)
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