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- 16/11/08 19:31:09
TVチェック2016.11.8 16:00
NHK「サラメシ」から。9月20日夜の放送で「広島焼き」となっていたテロップ(写真上)が、22日昼の再放送では「お好み焼き」に修正された(同下)
働く大人の昼食に焦点を当てたNHKのバラエティー番組「サラメシ」(総合テレビ、火曜午後8時15分ほか)。俳優、中井貴一さんの軽妙なナレーションでおなじみだが、9月の放送で“珍事”が起きた。広島の特集で、お好み焼きの映像に表示した「広島焼き」のテロップに広島の視聴者が反応。抗議を受け、NHKが再放送で「お好み焼き」と修正した。NHKを動かした広島の「お好み焼き愛」とは-。
「『広島焼き』なんてものは、広島にはありません! 広島について放送するのに、広島人の感情を逆なでしてどうする?」(40代男性)
「広島県人が一番怒る言い方です。『広島風お好み焼き』ならまだ許せる。東京の人が作った番組だと思った」(30代女性)
NHKによると、9月20日の「サラメシ」放送後、広島出身の視聴者からそんな抗議が複数、寄せられたという。
番組では、プロ野球広島カープのリーグ優勝に合わせ、広島市を特集。マツダスタジアムに集まったファンに昼食の内容を尋ねたり、広島電鉄の車両部や社員食堂などを訪問。物議を醸したのは、番組冒頭、広島名物を紹介する中で、お好み焼きの映像に「広島焼き」というテロップを付けて放送した場面だ。
「『お好み焼き』は広島県民のソウルフードで、『お好み焼き』以外の何物でもない。残念ながら、他県で『広島焼き』と呼ばれることがあるのは理解していますが、広島ではケンカの火種になる言い方です」。広島で、昭和25年創業の老舗お好み焼き店「みっちゃん総本店」を展開する有限会社「いせ」の広報担当者は、そう強調する。
広島のお好み焼きは、鉄板の上で小麦粉で作った生地を先にのばし、キャベツやもやし、肉、麺、卵などを“重ねて”焼いていくのが特徴。大阪を中心とした関西風のお好み焼きが、生地と具をあらかじめ“混ぜて”から焼くスタイルとは異なる。
お好み焼きが広島に根付いてきた歴史は、戦後の復興とも重なるようだ。戦前も駄菓子屋の「一銭洋食」として子供たちに人気だったが、戦後、空腹を満たす食べ物として屋台で注目を集め、各店舗が改良を重ねて現在の「お好み焼き」を形作っていった。広島市在住の40代の男性は「子供の頃は、週に1度は必ず食べていた。1食で満足のいく『お好み焼き』は、広島にとって身近で愛着のあるもの」と明かす。
こうした広島の人々の熱い思いを受け、NHK「サラメシ」制作チームは広島放送局からも意見を聞いた上で、番組プロデューサーが「せっかく広島の特集を行ったのに、広島県民の気持ちを損なっては意味がない」と判断。9月22日昼の再放送(東北地方を除く)では、テロップを「お好み焼き」に修正した。
これを受け、ツイッターでは「広島市民・県民の声が届いた模様」などとする声が上がった。NHKの素早い対応に、溜飲を下げた地元民も少なくなかったようだ。
前述の「いせ」の広報担当者は「広島人が『お好み焼き』にこだわりを持っていることを少しでも多くの人に知ってほしい」と強調している。(三品貴志)
http://www.sankei.com/premium/news/161108/prm1611080002-n1.html
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