• No.7 筑前煮

    16/07/21 05:02:52

    毎日新聞

    柔道事故:体格差
    69キロ 

     市立中学校で柔道部の練習中に男子部員(14)が同級生に投げられて頭を打ち、意識不明の重体になった。
    生徒は約160センチ・48キロで、相手は約175センチ・117キロ。
    市教委は事故の背景に体格差があった可能性もあるとみて、練習態勢に問題がなかったか調べている。
     市教委によると、5月31日午後6時8分ごろ、学校の柔道場で、事前に技を相手に知らせてかけ合う練習中に、大内刈りから大外刈りの連続技を受け、畳に頭を打った。
    男子生徒が頭が痛いと訴えたため、指導していた副顧問の
    20代の教員が生徒を休ませたが、その後、意識を失って倒れた。
    副顧問は柔道三段だった。

     2.4倍の体重差について、学校でのスポーツ事故を研究する名古屋大大学院の内田良准教授
    (教育社会学)は
    「度を越している。
    2人の技量は不明だが、最も頭部外傷リスクの高い大外刈りをさせていたのは、あまりに危険すぎる」と指摘。
    昨年5月に福岡市で中1女子が死亡した柔道事故でも、体格差が問題視されており、「体格差や技量差が、事故につながる大きな要因であることは再三指摘されており、学校の危機管理はあまりに希薄だ」と話している。

    館林市教委

     事故について、市教委は公表していなかった。
    その理由について、市教委学校教育課は「けがした生徒の親やけがさせた生徒の心情に配慮し、公表は控えていた」と話している。

     この事故を受け、市教委は6月、市内の16小中学校に対し、部活動や体育の授業中の安全管理を徹底するよう通知を出した。

     市教委によると、事故当時は部員5人で練習していた。
    男子生徒も、相手の同級生も中学1年から柔道を始めた。
    部員は全員で11人と少ないため、体格差のあるペアでの練習は日常的に行われていた。

     男子生徒の容体について、病院からは「時間はかかるが意識は戻るかもしれない。ただ、障害が残る可能性もある」などと説明を受けた。

     教頭は「学校側からお話しできることは何もない」としている。

     学校でのスポーツ事故を研究する名古屋大大学院の内田良・准教授(教育社会学)によると、2012年度までの30年間で、中学、高校の部活動や体育の授業中に起きた柔道事故で、少なくとも
    118人が亡くなり、296人が重度の障害を負った。

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