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冷凍ミカン
刑事裁判で有罪判決を受けた被告人が、裁判にかかった訴訟費用の支払いを免れ、結果的に徴収不能となるケースが過去5年間で約5900件、総額約5億3100万円に上っていることが16日、分かった。
全体の件数との比較では、およそ6人に1人が事実上、支払いを踏み倒している計算になる。
いずれも国が代わって負担しており、徴収率を高める方策が求められそうだ。
訴訟費用の大半を占めるのが、国選弁護人への報酬とみられる。
本来は経済的に困窮した被告人らのために国費で弁護士をつける制度だが、公判を通じて裁判所が資力ありと判断した場合は被告人に負担させ、検察が徴収実務に当たる。
産経新聞が最高検への情報公開請求で入手した資料によると、平成22~26年度の5年間で被告人が訴訟費用の支払いを命じられた件数は約3万1600件。
総額約35億1900万円で、1件当たりの平均額は約11万1千円だった。
この間、繰り越し分を含めて3万4987件で手続きが完了したが、約16・9%にあたる5919件では請求時効
(5年)などに伴い徴収不能となった。
地域別では東京地検がトップで1306件、次いで大阪地検が756件。
いずれも徴収対象の3割近くで回収断念に追い込まれている。
刑罰として科される罰金と違い、未納に対するペナルティーが実質的にないことが支払い逃れを招く要因になっているとみられる。
検察は規定上、未納者の資産の差し押さえなどを行うことも可能だ。
ただ、1件当たりの未納額は少額なため、コストをかけて強制執行するメリットに乏しく、徴収率アップの有効な手立てとはなっていない。
視点「逃げ得許さず、徴収工夫を」
「訴訟費用は支払わなくてOK。被告人にはそう伝えている」。
ある弁護士はそう声を潜めた。
長年にわたり問題が放置されてきた訴訟費用の未納問題。
公正さが厳しく問われるべき刑事裁判の手続きだけに、現状は言うまでもなく改める必要があるだろう。
ただ、識者らは
「徴収額以上の費用がかかっては仕方がない。
少ないコストで納付率を上げる工夫を考えるべきだ」と口をそろえる。
採算を度外視して徴収率を上げるのではなく、資力のある人間から確実に徴収する“逃げ得”を許さない仕組み作りが重要だ。
取材を通じて、
法曹関係者からは
「早期の支払いに対しては費用を減額する」などの方策も挙げられた。
≫続く
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