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- 16/05/04 15:46:21
朝日新聞デジタル 2016年5月4日3時39分
香川県で暮らす4人家族。休みに散歩を楽しむ。会社員の夫(46)はよく笑う長女(5)と手をつなぎ、主婦の妻(50)は音楽が好きな長男(9)とつなぐ。兄妹には重度の知的障害がある。長男のときは出産後に染色体検査を受け、長女のときは受けたうえで産んだ。
「白く映るはずの胎児の脳が見えません」。妻が、医師から告げられたのは、2003年9月。妊娠4カ月の健診で、超音波検査を受けたときだ。37歳だった。
精密検査を受け、医師から「死産になるかもしれない。生まれても、人として生きることは難しい」と告げられた。翌月に陣痛誘発剤を使用し、胎児を体外へ出した。両手におさまるほど、小さい女の子だった。妻は前の年に流産したばかりだった。
05年夏、4度目の妊娠で、順調に成長する胎児が確認できた。経緯を知る医師から、胎児の染色体検査を勧められたが、夫婦は断った。「やっと育った命なんです。何があってもあきらめたくない」
長男が産声をあげたのは、06年4月。足の指が6本あり、医師から長男の染色体検査を勧められた。生後1カ月で、染色体に異常があり、知的障害の可能性が高いと告げられた。「スプーンを使って自分で食べますか」「自分の名前が言えますか」。母子手帳に記された子の成長を問う質問に、「いいえ」の回答が少しずつ増えていった。
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