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虐待被害
時事通信 [6/17]
死刑判決が確定する千葉祐太郎被告(24)は、幼少期に母親から虐待を受けるなど複雑な家庭環境で育った。
事件後、被告に接した家裁調査官は「甘えが満たされてこなかったという思いが強く、他者への思いやりが育たなかった」と分析した。
一、二審などによると、被告が5歳の時に両親は離婚。母親に引き取られたが、小学1年生ごろから虐待が始まった。
犬用の首輪をはめられてリードをドアにつながれたり、家に置き去りにされたりすることもあった。
その後、母親は交際男性からの暴力で入院し、アルコール依存症にもなった。
被告は小学5年生から祖母宅に身を寄せた。
進学した高校は2カ月で中退した。
友人から「親をたたくとすっきりする」と聞き、母親に暴力を振るうようになったという。
交際中の少女にも暴行を繰り返し、実家に帰った少女を連れ戻そうとして事件は起きた。
「家庭は児童期に崩壊して社会性を教えられず、感情を十分に制御することができない」。
そう被告を分析した家裁調査官は「更生には長い時間が必要だが、まずは行為の重大性と向き合い、罪を償う意識を持つことだ」と指摘していた。
最高裁判決後、元少年の千葉祐太郎被告(24)の弁護団は16日、東京都内で記者会見し、「結果の重大性だけで死刑を選択した。
司法の役割を放棄した判決だ」と上告棄却を批判。
守屋克彦弁護団長は
「少年事件に対する厳罰化の傾向が進むのでは」と懸念を示した。
主任弁護人の草場裕之弁護士は「一、二審の事実認定と矛盾する間接事実がたくさんあると主張したが、最高裁は全く言及せずに棄却した」と指摘。
「死刑になりたくないわけではなく、自分の認識と異なる事実認定が納得できずに上告した。
この判決は受け入れられないのではないか」と被告の心中を推し量った。
最高裁判決を受け、
記者会見する主任弁護人の草場裕之弁護士(右)ら=16日午後、東京・霞が関- 0
16/06/17 10:35:26