“号泣元県議”野々村被告、異例の勾引状執行へ手続き着手　神戸地検係官が自宅へ

　嘘の収支報告書を兵庫県議会に提出し、政務活動費（政活費）約９１３万円をだまし取ったとして詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われ、２６日のやり直し初公判を前に強制的に裁判所に出廷させる勾引状が発付された元県議、野々村竜太郎被告（４９）をめぐり、神戸地検が２５日、勾引状を執行するための手続きに着手したとみられる。同日朝、野々村被告の生活する大阪市住之江区の市営住宅に、地検の係官が入った。

　野々村被告は昨年１１月２４日に予定されていた初公判を欠席。弁護側は被告が早朝から精神的に不安定になり、「欠席したい」とメールで連絡してきたと説明した。刑事訴訟法は被告が出廷しない場合、原則開廷できないと定めており、初公判は延期された。

　一方、神戸地裁は今月、２６日のやり直しの初公判に野々村被告が再び出廷しない可能性があるとして、１回の欠席では異例の勾引状を発付した。

　同法は被告が正当な理由なく呼び出しに応じない場合、裁判所は勾引状を発布して出廷させることができると規定しており、逃走の恐れがあれば勾留状により刑事施設で拘束することもできる。