- なんでも
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(>>86より続き)
◆日本の危機は目の前にある
日本が自分で決めた戦略として、結果的に米国と歩調をそろえることはある。
だがそれは、あくまで日本の戦略である。
たとえ「米国の言いなり」のように見えたとしても、
それが日本にとって得ならば、何の問題もない。
それは、ちょうど若い学生が父親の言いなりのように見えたとしても、
学費を負担してもらったほうが得なのと同じである。
米国が軍隊を日本に派遣して、
いざというときに血を流して日本の国と日本人を守ってくれるなら、日本にとって得なのだ。
たとえ見え方の問題でも「言いなり」がどうしても嫌というなら、
日本は米国と縁を切って自分の力で日本を守れるのか。
日米安保条約を破棄して日本が独力で日本を守るのが可能かどうか、
野党はついに国会で本格的な議論をしなかった。
それは安保破棄などと言い出せば、
それこそ国民からそっぽを向かれてしまうことを野党が知っているからだ。
日本共産党は安保破棄の立場だが、その共産党でさえも
安保条約と集団的自衛権の関係について突っ込んだ議論を避けてきた。
(6月26日公開コラムなど、 http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/43908 )
日本は安保条約の下で米国と同盟関係を結びつつ、戦後の平和と安定を保ってきた。
安保条約は日本だけでなく、極東(韓国と台湾、フィリピン)の平和と安定にも責任を負っている(第6条)。
つまり、日米安保条約は日本と米国が協力して、極東地域の平和と安定を維持する枠組みである。
朝鮮半島で危機が起きれば、日本は自分が攻撃されていなくても、
米国軍隊に自国領土を基地として提供することで朝鮮半島の平和と安定を守る。
戦後の日本がなぜ、そういう選択をしてきたかといえば、
朝鮮半島危機が日本の危機に直結するからだ。
実は、これこそ集団的自衛の枠組みにほかならない。
いま中国は尖閣諸島だけでなく、
南シナ海で7つの岩礁を埋め立てて、3つの滑走路を建設しようとしている。
遅くとも2018年には完成する見通しだ。
南シナ海のど真ん中に中国の軍事基地が完成すれば、
航行の自由が脅かされる。
それも日本の危機につながる。
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15/09/28 10:14:43