匿名
産経新聞 9月6日(日)11時30分配信
「カレーが水っぽい」「プリンには箸」…。
全国の刑務所などに収容される6万人以上の受刑者たちの不満の内容が、有識者からなる「刑事施設視察委員会」の活動報告(平成26年度分)で明らかになった。
食事や風呂など生活に密着した意見が多く、“壁の中”と外の生活環境の差異が際立つ。
法務省矯正局は「施設ごとの受刑者の特質や設備の違いに応じて、処遇に差が付いてしまうところもある」としているが、視察委員会が出した意見の7割に前向きな反応をみせている。
■「箸でグリグリかき混ぜて飲む」
「受刑者の最大の関心事」といわれる“食事”への注文が、視察委員会の報告では特に目立っている。
帯広刑務所では、「プリンやヨーグルトを出すときはスプーンを貸与するよう要望する」という意見があった。
スプーンがなければ、食事用の箸で食べるしかない。
元矯正局員によると、「箸でグリグリ回した後、カップに口をつけてグッと飲んでいる」という。
ほとんどの刑務所ですでにスプーンを貸与するようになっている。
帯広刑務所でも指摘を受け、昨年末から紙製のスプーンを支給することになった。
矯正局幹部は「金属やプラスチックのスプーンは安全面から渡せない。紙製なら予算がつけば大丈夫です」と話す。
続く
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No.6 主 匿名
15/09/08 07:04:35
■「そんなにまずくない」と矯正局員
「カレーが水っぽい。かたくり粉を入れるなどして水っぽさをなくすよう配慮されたい」と指摘されたのは、福井刑務所。
刑務所側は「かたくり粉を入れて濃度の調整を行っている」と回答した。
矯正局幹部は「刑務所の食事は必ず職員が試食します。私も試食したことがありますが、一般の食堂と比べてもまずくないですよ。その人の好みにもよるかもしれませんが…」と説明。
試食したことがある視察委員経験者も「そんなにまずくなかった」と口をそろえた。
このほか、「配食が不平等」(富山刑務所)、「冬の食事が冷えている」(前橋刑務所)、「ケチャップを購入させてほしい」、(神戸拘置所)、「高齢者がオレンジの皮をむけない」(栃木刑務所)など食事に関する意見は枚挙にいとまがない。
配食について矯正局幹部は「例えば、給食係の受刑者が豚汁を器に入れた後、刑務官が改めて具を振分けます。受刑者は『自分だけ不利な扱いを受けている』と思い込みがち。刑務所では平等であることが非常に大事です」と説明する。
「昼食後の歯磨きをしたい」という要望も福井刑務所であったが、回答は「洗面場所が狭く昼休憩時間内に終わらない場合もある」。
実際、数十人が作業しているのに洗面台が3つ程度しかない工場もあり、時間がかかりそうだ。
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No.14 主 匿名
15/09/08 07:08:18
>>6 続き
■「冬場の洗髪はお湯にしてほしい…」
食事もそうだが、入浴など生活に密着した意見が少なくない。
府中刑務所では「入浴回数を週2~3回からもっと増やして」「15分の入浴時間を30分に延長を」という要望も。
日本弁護士連合会の刑事拘禁制度改革実現本部本部長代行、海渡雄一弁護士は「一般社会では毎日、風呂に入っている。夏などは衛生上も問題だ」と指摘する。
これに対し、矯正局幹部は「多くの刑務所では、人数に対して風呂場が小さいため増設する必要がある。監視要員や燃料費も増えることになる。作業時間を減らすことができれば別ですが…」と苦しい事情を打ち明ける。
なお、入浴については、法務省令で「週2日以上」と決められている。
また、長野刑務所では、冬場でも理髪後の洗髪に水を使っているという。
視察委員会が改善を求めたところ、刑務所側は「予算や施設の管理運営上の支障の程度を踏まえた上で、実施する方向で検討する」と回答。
一方で、理容師の資格を取得する社会復帰プログラムがある刑務所ではお湯を使っており、施設により事情が違う。
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No.30 主 匿名
15/09/08 07:13:40
>>14 続き
■「フットサルをしたい」「のど自慢を聞きたい」…世代間闘争も
受刑者には運動時間が与えられるが、「ソフトボールよりサッカーやフットサルをやりたいという受刑者が多い」(市原刑務所)という意見があった。
監視の困難さやケガの危険性などから、現時点ではできないようだが、刑務所側は「諸事情が解決されればやぶさかではない」としている。
ラジオ放送をめぐっては「のど自慢を聞きたい」「野球放送をやめてほしい」(福井刑務所)など、チャンネル権をめぐる“世代間闘争”が垣間見える。
刑務所側は「希望調査を実施している」と回答した。
元矯正局員は「高齢者はAM、若者はFMを求める。アンケートを取ると、食事でもそうだが、だれかが文句を言うことになる」と内情を明かす。
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No.35 主 匿名
15/09/08 07:16:08
>>30 続き
■「髪の毛の長さ0・2センチ未満にしたい」はダメ
「全国の刑務所でまだら模様の運用となっている」とされるのが、受刑者が刑務所内を移動するときの行進だ。
「軍隊式行進に酷似し、社会通念上も適切ではない」(札幌刑務所)をはじめ、数カ所で同様の指摘があった。
刑務所側は「強制ではない。規律秩序の維持や適正な管理運営上必要なもの」としているが、現場の運用によるところが大きいようだ。
元矯正局員も「軍隊式行進の定義にもよるが、義務教育でやっている程度のもの。同じ動きをしないと、前後の受刑者にぶつかりますし…」と理解を求めた。
変わったところでは、「髪の毛の長さを0・1センチにしたい」(徳島刑務所)という声もあった。
刑務所側は「大臣訓令により、最も短くても0・2センチと決まっている」と回答。
矯正局幹部は「バリカンの刃を何種類も用意できないのかもしれない」と補足する。
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No.40 主 匿名
15/09/08 07:19:00
>>35 続き
■なぜ犯罪者を厚遇するのか…社会にプラスになる処遇を
受刑者の処遇をめぐって、世間では
「なぜ犯罪者を厚遇するのか」という声もある。
しかし、海渡弁護士は「受刑者は罪を犯し、刑務所で罰を受けている。
自由な生活ができないことそれ自体が苦痛なのに生活環境でさらに苦痛を与え、社会を恨むようになれば、社会にプラスなことはない。
受刑者が『こんなによくしてくれた』と感じることが、社会復帰や社会貢献につながると確信している」と主張し、視察委員会の活動を評価している。
視察委員会は、北は網走刑務所から南は鹿児島刑務所まで、本所と位置づけられる77の刑事施設に設置されている。
弁護士や医師、地域住民など計372人の委員が視察や受刑者らの面接を行い、施設長に意見を提出する。
26年度は計191回の視察を実施。
計575件の意見を提出し、刑務所側は、このうち396件について措置を講じたか、講じる予定だという。
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