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- 14/08/27 13:52:05
デング熱 70年ぶり国内で感染確認
8月27日 12時00分 NHK
熱帯や亜熱帯の地域で流行している「デング熱」に、海外への渡航歴のない埼玉県の10代の女性が感染していたことが分かりました。
国内での感染の確認はおよそ70年ぶりだということで、厚生労働省は、感染経路を調べるとともに、全国の自治体に注意を呼びかけています。
厚生労働省によりますと、デング熱への感染が確認されたのは、埼玉県に住む10代の女性です。
今月20日、発熱や関節の痛みなどの症状を訴え入院しましたが、現在、症状は落ち着いているということです。
デング熱は蚊が媒介する感染症で、ヒトからヒトには感染しません。
アジアや中南米など熱帯や亜熱帯の地域で流行していて、日本では海外で感染し、帰国後、発症する人が年間200人ほど報告され、去年はこれまでで最も多い249人の患者が確認されています。
感染した女性は海外への渡航歴はないということで、厚生労働省は、海外で感染し帰国した人から蚊を媒介して感染した可能性があるとしています。
厚生労働省によりますと、国内でのデング熱の感染は昭和20年に確認されて以来およそ70年ぶりだということで、全国の自治体に対して、デング熱の感染が疑われる患者が確認された場合は、速やかに保健所に報告するなど注意を呼びかけています。
重症化でまれに死亡も
デング熱は蚊が媒介する感染症で、発症すると発熱や激しい頭痛などを引き起こし、症状が重くなるとまれに死亡することもあります。
アジアや中南米、アフリカなどの熱帯や亜熱帯の地域で広く流行し毎年、世界中でおよそ1億人が発症しているとみられています。
WHO=世界保健機関によりますと、ことしはマレーシアやフィリピン、シンガポールなどの東南アジアを中心に患者が報告されています。
厚生労働省によりますと、国内にはデング熱のウイルスは常在しておらず、海外で感染し帰国後、発症するケースがほとんどで、統計を取り始めた平成11年の患者数は9人でしたが、去年はこれまでで最も多い249人の患者が報告され、ことしは今月17日までに98人が確認されています。
ことし1月には、日本を旅行したドイツ人の女性が帰国後、デング熱を発症していたことが分かり、厚生労働省は、日本で感染した可能性が否定できないとしています。
デング熱の治療薬はなく、熱を下げたり、脱水症状を防いだりする対症療法が中心となります。
予防のためのワクチンもなく厚生労働省は、流行地域を旅行する際は蚊に刺されないため長袖や長ズボンを着用したり、虫よけを使ったりするよう呼びかけています。
また、流行地域から帰国したあと発熱や頭痛などの症状が出た場合は、すぐに空港や港の検疫所や医療機関を受診してほしいとしています。
菅官房長官「情報収集進める、冷静な対応を」
菅官房長官は記者会見で、「政府としては、自治体と協力しながら感染経路の調査を行うとともに、全国の自治体、医療機関に疑わしい症例があれば報告するよう通知するなど、積極的に情報収集を進めている」と述べました。
そのうえで菅官房長官は、「デング熱は仮に発病しても重症化するのはまれであり、ヒトからヒトに直接感染するものではない。ウイルスを媒介する蚊も日本に生息するものの、越冬するのは難しいと言われており、冷静に対応することが必要だ」と述べました。
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