通州事件って知ってる? へのコメント(No.25

  • No.25

    14/08/02 20:06:34

    七月二十九日の朝、まだ辺りが薄暗いときでした。

    突然私はTさんに烈しく起こされました。
    大変なことが起こったようだ。
    早く外に出ようと言うので、私は風呂敷二つを持って外に飛び出しました。

    Tさんは私の手を引いて町の中をあちこちに逃げはじめたのです。
    町には一杯人が出ておりました。

    そして日本軍の兵舎の方から猛烈な銃撃戦の音が聞こえて来ました。

    でもまだ辺りは薄暗いのです。
    何がどうなっているやらさっぱりわかりません。

    只、日本軍兵舎の方で炎が上がったのがわかりました。
    私はTさんと一緒に逃げながら、
    「きっと日本軍は勝つ。負けてたまるか」という思いが胸一杯に拡がっておりました。

    でも明るくなる頃になると銃撃戦の音はもう聞こえなくなってしまったのです。
    私はきっと日本軍が勝ったのだと思っていました。

    それが八時を過ぎる頃になると、支那人達が、
    「日本軍が負けた。日本人は皆殺しだ」と騒いでいる声が聞こえて来ました。

    突然私の頭の中にカーと血がのぼるような感じがしました。
    最近はあまり日本軍兵舎には行かなかったけれど、何回も何十回も足を運んだことのある懐かしい日本軍兵舎です。

    私は飛んでいって日本の兵隊さんと一緒に戦ってやろう。
    もう私はどうなってもいいから最後は日本の兵隊さんと一緒に戦って死んでやろうというような気持ちになったのです。

    それでTさんの手を振りほどいて駆け出そうとしたら、Tさんが私の手をしっかり握って離さないでいましたが、Tさんのその手にぐんと力が入りました。
    そして、
    「駄目だ、駄目だ、行ってはいけない」
    と私を抱きしめるのです。

    それでも私が駆け出そうとするとTさんがいきなり私の頬を烈しくぶったのです。
    私は思わずハッして自分にかえったような気になりました。
    ハッと自分にかえった私を抱きかかえるようにして家の陰に連れて行きました。

    そしてTさんは今ここで私が日本人ということがわかったらどうなるかわからないのかと強く叱るのです。

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