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いじめの加害者、成長後は健康?
2014年05月14日 15:01 提供:ナショナルジオグラフィック
子ども時代のいじめによる影響は、被害者・加害者ともに一生付きまとうことがある。しかし、5月12日付けで発表されたデューク大学の研究報告によると、ある測定方法を用いたところ、子ども時代にいじめを受けていた人が長期的な後遺症に悩まされている一方、いじめた側は同年代と比較して健康的であることが分かったという。
この研究は、「グレート・スモーキー山脈調査」と名づけられた長期的な調査結果を基にしている。1993年に開始された研究は、ノースカロライナ州西部に住む1420人の子どもたちを追跡調査したもの。研究者らは、子ども時代から思春期にかけて(9~16歳)と、青年期(19~21歳)の2つの期間に、最高9回まで被験者たちに聞き取り調査を行った。調査を率いたのはノースカロライナ州ダラムにあるデューク大学医療センターの精神医学・行動科学助教授、ウィリアム・コープランド(William Copeland)氏である。
既存の調査では、子どもの頃いじめを受けた若い成人が、不安障害、パニック障害、うつ病などの長期的な精神問題を抱えていることが分かっている。
しかし今回の調査では、いじめるという行為が実はいじめの加害者本人を守っていることを示唆する、これまでにない報告がなされている。なぜこの点が今まで見過ごされていたかというと、いじめっ子には2種類あって、過去の調査ではこれらをひとつのグループにまとめて調査対象としてきたためだとコープランド氏は指摘する。その2種類とは、自分自身もいじめられた経験がある「元被害者の加害者」と、「純粋な加害者」である。
そして、「元被害者の加害者が最も長期的な精神問題と健康問題を抱えている」という。そこで新たな調査では、こうした加害者を純粋な加害者と分けて調査を行った結果、純粋な加害者の方は「他人をいじめることで自身は恩恵を受け、その代償を支払うことなく、さらには同年代の他の人たちに比べて精神的にも身体的にも健康である」ということが明らかとなった。
◆いじめの恩恵?
調査では、被験者のC反応性蛋白質(CRP)の血中濃度を、子ども時代、思春期、青年期の間に数回にわたって計測した。CRPとは、心血管系リスクやメタボリック症候群などに関係するとされている慢性炎症のバイオマーカーで、これによって身体にかかるストレスを測り、「将来予想される健康問題の予兆を知ることができる」と、コープランド氏は説明する。
成長に伴って全ての被験者はCRPのレベルが上昇したが、いじめ被害者が最も高い上昇率を見せ、加害者は最も低かった。元被害者の加害者は、その間のどこかに落ち着いた。
メリーランド州ボルティモアにあるジョンズ・ホプキンス大学青少年暴力防止センター所長のキャサリン・ブラッドショー(Catherrine Bradshaw)氏は、いじめ加害者のCRPレベルが低いことについて、拡大解釈をしてはいけないと警告する。低いCRPレベルは健康的恩恵を示すというよりは、いじめ加害者の元々持っている身体的違いを反映しているだけという可能性もあるのだ。
ブラッドショー氏はさらに、「短期、長期ともに信頼の置ける調査報告で、いじめっ子が後々、健康面以外の問題を抱えるようになるという報告も数多く存在する」と指摘、例えば、いじめ加害者はギャングに加わったり銃を携帯したり、無断欠席などの問題行動を起こす割合が高い。
この研究は、5月12日に「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌オンライン版に発表された。
Sarah Zielinski for National Geographic News
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